
前作の「和菓子のアン」も面白かったですが、2作目となる「アンと青春」も面白かったです。書店で見かけた時に、思わず笑ってしまったのは、そのタイトルでした。赤毛のアン・シリーズに引っかけているんですね。(^^;
今回もデパ地下の和菓子屋さんで働くアンちゃんが、ちょっとした謎と関わることになります。それと同時に、アンちゃんは自分の将来を思い悩んでいます。でも、アンちゃんの性格の良さは前作から変わらず、安心して読める作品でした。とはいえ、アンちゃんの周りの環境にも、ちょっとした変化が生まれています。
その1つが、アンちゃんのお店の隣にオープンした洋菓子屋「K」の柏木さんです。柏木さんは、今は洋菓子屋の見習いですが、その前には和菓子屋の世界にも関わっていたことがあるようです。でも、気の弱さと意志の弱さから、何をやっても長続きせず、フラフラと頼りない感じです。そして柏木さんが原因で、アンちゃんは同じお店の立花さんと気まずい雰囲気になってしまいます。
前作同様、今作も読んでいるだけで、お腹がすいてきます。(^^; 作中の食べ物の描写が秀逸です!
物語の基本的な雰囲気は軽くて読みやすいですが、扱っているテーマは意外と重くて、ちょっと胃もたれしそうな部分もありました。贈り物に隠された悪意とか、異常なまでに娘の健康に執着する母親とかは、読んでいて辛かったです。
そして最後に気になるのは、この続編のタイトルです。やはり赤毛のアン・シリーズにならって、「アンと愛情」にして欲しいですね。(^^;
最終更新日 : 2016-05-06