師匠が亡くなり、菊比古が助六を探しに出かけるお話でした。
真打になったばかりの菊比古ですが、人気があって弟子にしてくれと押しかけてくる者までいます。しかし、そんな申し出を菊比古はばっさりと断っていました。親を捨てて行く当てもないと泣き落としにかかる青年を、菊比古は親も説得できないような奴にお客を納得させられる落語ができるか、おまけに今日は親子で落語を楽しむ親子会だ、そんな場所柄も考えずに弟子入りしようという配慮のなさが気に入らないと、青年を追い返しました。
これまで生活面がまるでダメな助六にさんざん小言を言ってきて、親に捨てられて居場所がなくなって落語をすることになった菊比古の言葉だけに、とても説得力がありました。思わず、全くその通りでございますと頭を下げたくなりました。(^^;
そんな中、寄席の途中で師匠の様子がおかしくなりました。菊比古と共に愛弟子であった助六を失ったことで、師匠の「子別れ」には笑いを越えて人の心を打つものがありました。おかしい噺のはずなのに、泣けてきてしまう。チャップリンの喜劇もそうですが、落語も突き詰めると涙の中にある笑いを演じられるようになるのかもしれませんね。
入院した師匠の看病をしていた菊比古は、師匠から思わぬ話を聞くことになりました。昔の師匠は、落語にはあまり興味がありませんでした。しかし、ある有望な青年が弟子になったことで、父親が彼を可愛がるようになりました。それを見た師匠は、それに張り合うように落語に熱を入れたのでした。しかし実力の世界は厳しいものです。どんなに師匠が修練を積んでも、その青年の落語にはかないません。
悔しい師匠は、八雲の名前を父から受け継ぐことで、青年に意趣返しをしたのでした。しかし、周囲の青年こそが八雲の名を継ぐべきだったと、口にこそ出しませんが顔色から伝わってきました。そして青年は落語の世界から去り、いずこかへ消えてしまったのでした。その青年の芸名が、助六だったのです!
今の助六に落語を教えた老人、それこそが師匠が八雲の名を取り上げた助六だったのでした。そんな助六の弟子を育てることになり、師匠はずっと苦い思いを味わっていたのでした。師匠が助六を破門するほど酷く、助六に当たってしまったのは、過去にこういういきさつがあったからでした。
それを知ってしまった菊比古は、ますます簡単には八雲の名前をつげません。そして師匠は亡くなり、葬儀が行われました。菊比古の前から去ったのは、師匠だけではありません。これまで身の回りの世話をしてくれた松田さんも、奥さんの体調が思わしくなく、菊比古の前から去ることになりました。そんな松田さんに、最後に師匠の話でもして酒を酌み交わそうと誘う菊比古の心配りがよかったです。
そして菊比古は、本当に1人になってしまいました。それでも師匠の穴を埋めるために、寄席へと上がります。観客も菊比古の師匠が亡くなったことは知っているので、菊比古としてもやりづらい舞台です。そこで菊比古は、「死神」を演じました。師匠の死の後で、こんな噺を演じる菊比古も凄いですね。そんな菊比古の噺は、鬼気迫るものでした。
その後、菊比古はしばらくお休みをもらうことになりました。その間に菊比古は、助六とみよ吉を探し出そうとしていました。師匠が亡くなったことを伝えると共に、師匠と先代の助六との因縁を知っては、ますます八雲の名前をつぐわけにはいかないでしょうからね。
わずかな手がかりを元に旅に出た菊比古は、とある街で行われている落語を耳にすることになりました。それは寄席ではなく、そば屋の席を借りて行われている落語でした。それを演じていたのは、まだ幼い女の子でした。それがどうやら、助六とみよ吉の子供、小夏でした。小夏はかなり口の達者な子供でしたが、小夏に落語を仕込んだのは、助六のようです。久しぶりに菊比古と助六が再会して、いったい何が起きるのでしょうか。
今回も、とっても見応えがありました。子供の頃からいろいろと苦労してきた菊比古だけに、人情の機微に本当に通じていますね。押しかけ弟子への言葉、松田さんとの別れなど、ちょっとしたエピソードにそれを感じました。(^^)
真打になったばかりの菊比古ですが、人気があって弟子にしてくれと押しかけてくる者までいます。しかし、そんな申し出を菊比古はばっさりと断っていました。親を捨てて行く当てもないと泣き落としにかかる青年を、菊比古は親も説得できないような奴にお客を納得させられる落語ができるか、おまけに今日は親子で落語を楽しむ親子会だ、そんな場所柄も考えずに弟子入りしようという配慮のなさが気に入らないと、青年を追い返しました。
これまで生活面がまるでダメな助六にさんざん小言を言ってきて、親に捨てられて居場所がなくなって落語をすることになった菊比古の言葉だけに、とても説得力がありました。思わず、全くその通りでございますと頭を下げたくなりました。(^^;
そんな中、寄席の途中で師匠の様子がおかしくなりました。菊比古と共に愛弟子であった助六を失ったことで、師匠の「子別れ」には笑いを越えて人の心を打つものがありました。おかしい噺のはずなのに、泣けてきてしまう。チャップリンの喜劇もそうですが、落語も突き詰めると涙の中にある笑いを演じられるようになるのかもしれませんね。
入院した師匠の看病をしていた菊比古は、師匠から思わぬ話を聞くことになりました。昔の師匠は、落語にはあまり興味がありませんでした。しかし、ある有望な青年が弟子になったことで、父親が彼を可愛がるようになりました。それを見た師匠は、それに張り合うように落語に熱を入れたのでした。しかし実力の世界は厳しいものです。どんなに師匠が修練を積んでも、その青年の落語にはかないません。
悔しい師匠は、八雲の名前を父から受け継ぐことで、青年に意趣返しをしたのでした。しかし、周囲の青年こそが八雲の名を継ぐべきだったと、口にこそ出しませんが顔色から伝わってきました。そして青年は落語の世界から去り、いずこかへ消えてしまったのでした。その青年の芸名が、助六だったのです!
今の助六に落語を教えた老人、それこそが師匠が八雲の名を取り上げた助六だったのでした。そんな助六の弟子を育てることになり、師匠はずっと苦い思いを味わっていたのでした。師匠が助六を破門するほど酷く、助六に当たってしまったのは、過去にこういういきさつがあったからでした。
それを知ってしまった菊比古は、ますます簡単には八雲の名前をつげません。そして師匠は亡くなり、葬儀が行われました。菊比古の前から去ったのは、師匠だけではありません。これまで身の回りの世話をしてくれた松田さんも、奥さんの体調が思わしくなく、菊比古の前から去ることになりました。そんな松田さんに、最後に師匠の話でもして酒を酌み交わそうと誘う菊比古の心配りがよかったです。
そして菊比古は、本当に1人になってしまいました。それでも師匠の穴を埋めるために、寄席へと上がります。観客も菊比古の師匠が亡くなったことは知っているので、菊比古としてもやりづらい舞台です。そこで菊比古は、「死神」を演じました。師匠の死の後で、こんな噺を演じる菊比古も凄いですね。そんな菊比古の噺は、鬼気迫るものでした。
その後、菊比古はしばらくお休みをもらうことになりました。その間に菊比古は、助六とみよ吉を探し出そうとしていました。師匠が亡くなったことを伝えると共に、師匠と先代の助六との因縁を知っては、ますます八雲の名前をつぐわけにはいかないでしょうからね。
わずかな手がかりを元に旅に出た菊比古は、とある街で行われている落語を耳にすることになりました。それは寄席ではなく、そば屋の席を借りて行われている落語でした。それを演じていたのは、まだ幼い女の子でした。それがどうやら、助六とみよ吉の子供、小夏でした。小夏はかなり口の達者な子供でしたが、小夏に落語を仕込んだのは、助六のようです。久しぶりに菊比古と助六が再会して、いったい何が起きるのでしょうか。
今回も、とっても見応えがありました。子供の頃からいろいろと苦労してきた菊比古だけに、人情の機微に本当に通じていますね。押しかけ弟子への言葉、松田さんとの別れなど、ちょっとしたエピソードにそれを感じました。(^^)
最終更新日 : 2022-10-30
昭和元禄落語心中に関するアニログです。 …
2016/03/16 08:38 anilog