
セントバーナードとシェパードの混血犬バックは、アメリカの判事の屋敷で暮らしていました。しかしある日、バックは男に掠われて、アラスカへと送り込まれたのでした。この時代はゴールドラッシュで、一攫千金を目指して多くの人々がアラスカへと入り込んでいたのでした。バックはそこで、橇を引く過酷な労働を強いられる日々を送ることになるのでした。
最初は急激な環境の変化に戸惑うバックでしたが、驚くべき狡猾さで生き抜くすべを身につけていきます。そしてバックは、多くの人々から知られる存在となったのでした。そしてバックは、人間に飼われる存在から、己だけで自由に生きる存在へと変貌していきます。そして大好きな人間がいなくなったその時、バックは自らの生きる場所として荒野を選ぶのでした。
150ページほどの短い作品ですが、荒々しい環境の中で生きることを余儀なくされたバックの運命に引きつけられました。最終的にバックは野性に帰りますが、それまでの人間への献身ぶりがより印象に残りました。
最終更新日 : 2016-04-22