日々の記録

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超マシン誕生 新訳・新装版トレイシー・キダーの「超マシン誕生」を読み終えました。

物語の舞台となるのは、1970年代末のアメリカのデータゼネラルというミニコンメーカーです。この会社は、Nova と呼ばれるミニコンを販売して急成長して、その後の Eclipse という16ビット(!)ミニコンでさらに飛躍します。しかし、1978年に最大のライバルである DEC が32ビット・ミニコン VAX を発売したことで、データゼネラルは DEC に差をつけられてしまいました。

DEC の VAX 以上のマシンを目指して、データゼネラルも32ビット・ミニコンの開発を始めます。しかし、社内の派閥争いもあり、2つの勢力が争うことになってしまいました。そして一方の勢力が優位に立ちますが、負け組のリーダーとなったウエストはまだ諦めていませんでした。ウエストは表面上は、もう1つのプロジェクトが失敗した時の保険という名目で、新たな32ビット・マシンのプロジェクトを始動させました。

このプロジェクトは、内部ではイーグルという呼び名で呼ばれることになりました。無茶な開発期限と少ない機材。プロジェクトの先行きは絶望的に見えました。しかし、そんな状況の中でもプロジェクトに取り憑かれた技術者たちは、時間外労働さえもいとわずにマシンを作り上げていきます。

もちろん、その途中では何度も大きなトラブルや危機があります。おまけに、彼らが開発するマシンは、先に発売されていた16ビットの Eclipse のプログラムも使えるようにしなければなりません。DEC の VAX では、従来機種との完全互換は確保されていなかったので、それを実現すれば大きなアドバンテージになります。

対立するプロジェクトが失敗したのに対し、この無茶とも思える条件で開発されたイーグルは、見事に開発に成功するのでした。その原動力となったのは、お金でも恵まれた労働環境でもありませんでした。自分たちが作りたいものを作ることができる。それが技術者たちの力となりました。そして、1つの成功は次の作りたいものを作るチャンスを手に入れる方法でもあります。

コンピュータがらみの開発物語は好きなので、これまで何冊もそういった本を読んできました。しかし、どちらかといえばハードよりもソフトよりの話が好みでした。この本はハード寄りの話でしたが、そこに流れている技術者魂はソフトと変わりませんでした。

もし私が実際にその状況に身を置いたら、1日で悲鳴を上げて逃げ出してしまうかもしれません。でも、そんな中で最高の仕事をしようと努力を続ける技術者の姿には、憧れを感じます。

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