日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › 読書 › 読書(その他) › 仏教思想のゼロポイント/魚川 祐司
2015-09-15 (Tue) 00:22

仏教思想のゼロポイント/魚川 祐司

仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か魚川祐司さんの『仏教思想のゼロポイント 「悟り」とは何か』を読み終えました。

夢枕獏さんの小説を読んだのがきっかけで、仏教の思想に興味を持つようになりました。あれこれ本を読みましたが、今ひとつわかったようなわからないような感じです。その時に読んだ本の中で、ずっと心にひっかかっていたのが増谷文雄さんの「釈尊のさとり」でした。この本の詳細は忘れてしまいましたが、「悟り」とは直観だと結論されていました。
この直観ということが、今までどうにもわからずモヤモヤとしていました。それが今回、この「仏教思想のゼロポイント」を読んだことで、すっきりとした気がしました。

この本では、仏教とは何かということを、その根本から噛み砕いて解説しています。著者は仏教の中でも釈尊の教えそのものを実践しようとするテーラワーダ仏教と深い関わりがありますので、現在広まっている大乗仏教に対して批判的な立場のようです。私自身は、仏教の思想には興味があっても、宗教としての仏教には全く関心がないので、特に抵抗なく読み進めることができました。でも人によっては、この部分が気になる方もいるかもしれません。

まず最初に、著者は仏教の基本構造を明らかにします。そこから論理を積み重ねて、輪廻とは何なのか、解脱とは何なのか、涅槃とは何なのかと話を進めていきます。簡単な用語解説はありますが、論を進める中で仏教用語やパーリ語が飛び出してきますので、全く初めて仏教について学ぼうという方には、少し難しいかもしれません。でも、わからない言葉は後から調べることにして、とりあえず一通り読み通すと著者の言わんとしているところを垣間見ることができると思います。

この本で私が一番衝撃的だったのは、「あとがき」に書かれていたある出来事でした。瞑想センターで瞑想を実践している西洋人に、著者は「あなたは仏教徒なのか」と尋ねました。すると「そんなことはどうでもいい」という返事が返ってきました。彼にとっては仏教徒であることが大切なのではなく、自らの持つ問いに対する答えを得ることや、人生の指針を得ることが大切なのでした。

仏教という思想を、ただ盲信するのではなく、最終的は判断は自らで下す自由を持ち続けること。これは何かを学ぶ時に、絶対に必要な視点だと気づきました。その道の権威者が言うことだから間違いないと思考停止することなく、自らの意思で考えて判断を下すこと。この視点に気づかせてくれただけでも、この本を読んだ価値があったと思いました。

最終更新日 : 2015-09-15

Comment







管理者にだけ表示を許可