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2015-06-09 (Tue) 17:44

読書教育/辻 由美

読書教育―フランスの活気ある現場から辻由美さんの「読書教育 フランスの活気ある現場から」を読み終えました。

子供の読書教育にはあまり関心がないのですが^^;、この本の中で「高校生ゴンクール賞」について詳しく紹介されていたので、興味が出て読んでみました。

この本を読むまでは、ゴンクール賞という賞の名前だけは耳にしたことがあっても、それがどんなものかはよく知りませんでした。本家のゴンクール賞は、ゴンクール・アカデミーの10人の会員によって選ばれるものですが、高校生ゴンクール賞は、なんとフランス各地から選ばれた高校の生徒たちが候補作を読んで、受賞作を決める賞でした。

高校生ゴンクール賞への参加は、希望する学校の教員などによって行われますが、候補とする作品を選ぶのは高校生たちの議論の結果にゆだねられています。教員や図書館司書は議論の場に同席しますが、議論には加わらず、あくまで主役は高校生たちです。2ヶ月という限られた期間の中で、10冊以上もの候補作を読まなければならないこともあり、賞への参加は生徒たちにかなりの負担となります。それでも、普段触れる機会の少ない現代作家の新刊を読んだことで、多くのものを生徒たちは得るようです。そして生徒たちが選び出した候補作は、本家のゴンクール賞の受賞作品よりも信頼できると評価も高いようです。

この本の中心となるのは、この高校生ゴンクール賞ですが、その他に2つフランスでの取り組みが紹介されています。
1つは国立老年学財団が主催するクロノス賞、もう1つは国内の中小書店が中心となって行われているアンコリュプティブル賞です。クロノス賞は、あらゆる世代を対象に老いをテーマにした作品を取り上げて受賞作を選んでいます。アンコリュプティブル賞は、子供の読書教育に携わる人たちが候補作を選び、その中から受賞作を選びます。

この本を読んで、フランスの読書教育への力の入れ方に衝撃を受けました。外国からの移民が多いため、フランス語の言語能力に大きな差があることも影響しるようですが、どの賞も政府や役人が決めたものではなく、市民の中から生まれた動きが広がっていったところが素晴らしいと思いました。そして作品を書いた多くの作家も、これらの賞に積極的に関わっています。どの賞でも、読者が作家と会う機会が用意されているのはうらやましいです。現役作家の作品を取り上げることの、最大のメリットだと思いました。

最後に、カッシャン市立図書館の会報に、13歳のソフィアンが書いた「人生」という詩がいいなあと思ったので紹介します。(^^)

成長する、それは老いること、老いる、それは成長すること
始まったものは必ず終わる
だれでもいつかは去っていく
しあわせでも、ふしあわせでも

ときに人生は難しい
友や肉親が帰らぬ人となる
だれかが突然逝ってしまうことだってある
でも、助かる人もいるんだ…

何もかもうまくゆく日もあれば
何ひとつうまくゆかない日もある
限りなく続くものは何もない
すべてに終わりがやってくる

最終更新日 : 2015-06-09

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