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2015-04-19 (Sun) 17:18

太宰治の辞書/北村 薫

太宰治の辞書北村薫さんの「太宰治の辞書」を読み終えました。この作品、もう続きはないとあきらめていた「円紫さんシリーズ」の続編でした!(^^)

この本には、「花火」「女生徒」「太宰治の辞書」の3作品が収録されていました。「花火」と「女生徒」は小説新潮に発表された短編で、「太宰治の辞書」は書き下ろしでした。

以下はネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

「花火」は、"私"がピエール・ロチの日本での手記と、それを元に書かれた芥川龍之介の「舞踏会」とのつながりを追う作品でした。作品の内容より何より驚いたのは、お話の世界が前作から20年くらい後の世界だったことです。"私"も編集者としてキャリアを重ね、旦那さんがいるばかりか、中学生の息子がいることがわかって、さらに驚きました。あまりに驚きが強かったので、呆然としている間にお話が終わってしまいました。(^^;

「女生徒」は、太宰治の同名の作品をテーマにした作品でした。「花火」で呆然となった後、この「女生徒」では"私"の大学時代の友人・正ちゃんが登場します。時は経過していますが、"私"と正ちゃんの昔と変わらぬやりとりに、ちょっとだけほっとしました。でも、全てが同じわけではなく、そこかしこに時の流れを感じさせられました。

と、ここまで読んでたいへんなことに気がつきました。「花火」にも「女生徒」にも、"私"の師匠である円紫さんが登場していません。そして今回の本が、東京創元社からではなく、新潮社から発売されていることに、この時ようやく気づきました。(^^; 続編を見つけた喜びで、すぐにレジに向かったので、どこから発売されているかは全くチェックしていませんでした。

まさかこのまま・・・と心配になりつつ「太宰治の辞書」を読んだら、ようやく円紫さんが登場してくれて安心しました。真打ちはやはり、最後に登場するものなんですね。(^^;
この「太宰治の辞書」では、"私"は円紫さんからある謎を投げかけられました。先に読んだ「花火」や「女生徒」とうまく内容がリンクしているのがうまいなあと思いました。

というわけで、本当に久しぶりにシリーズの新作を読むことができて、本当にうれしかったです!
東京創元社ではなく新潮社から発売されたことで、推理色が薄まったのが少し残念でした。できれば同じ東京創元社からの続編も読んでみたいなあと思いました。

今回ちょっとだけ気になったのは、太宰や芥川など、他の作品からの引用が多かったことです。それらの作品の文章は素晴らしいと思うけれど、個人的に好きなのは北村さんの文章なので、もっと北村さん自身の文章が読みたかったです。

そうそう。それから新潮社は商売がうまいなあと思ったのは、巻末の書籍案内が作中で言及されているものを中心に構成されていたことです。これを見ていると、"私"が読んだ本を自分で確かめてみたくなるんですよね。
・・・で気がつければ、新潮文庫で発売されている太宰と芥川の本を何冊か買っていました。(^^;

最終更新日 : 2015-04-19

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