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2015-01-03 (Sat) 21:46

ローマ人の物語IV ユリウス・カエサル ルビコン以前/塩野 七生

ローマ人の物語 (4) ユリウス・カエサル-ルビコン以前塩野七生さんの「ローマ人の物語IV ユリウス・カエサル ルビコン以前」を読み終えました。本当なら、3巻にあたる「勝者の混迷」を読むべきなのですが、2巻に登場した英雄ハンニバルとの戦いと比べると内容が地味で、どうしても読み続けることができませんでした。(^^;

この第4巻では、ユリウス・カエサルの生い立ちからルビコン川を渡ることで、元老院との対決を決意するまでが描かれました。若き日のカエサルは、貴族の生まれてでありながら、傍流という微妙な立場におかれていました。その頃ローマでは、元老院派と民衆派の対立があり、カエサルもそれに巻き込まれそうになりました。彼自身は民衆派だったのですが、身の危険を感じてローマから脱出したりもしています。

そんなカエサルでしたが、やがてローマに返り咲き、執政官として権力を握ります。さらに執政官を終えたカエサルは、属州総督の地位を得てガリアを統治することになりました。この時のカエサルのガリアでの戦いの記録が、有名な「ガリア戦記」です。この記録は、カエサル自身の口述によって書かれています。

この「ガリア戦記」、昔読んでみようと思ったことがあったのですが、堅すぎる内容に挫折してしまいました。
しかし、この本で著者が語るガリアでの戦いの様子には引き込まれました。現在のフランス・ベルギー・オランダあたりに居住していたガリア人を、カエサルは巧みな戦略で従えます。そればかりか、東はゲルマン人の住む地域を脅かしガリアへの侵攻を妨げ、北はイギリスまで進出しています。

こうしてローマにとっての安全を確保してきたカエサルでしたが、彼が不在の間にもローマでは反カエサル勢力である元老院の謀略が進んでいました。まずはカエサルと共に三頭政治の一角であったポンペイウスが元老院へと取り込まれます。そして元老院は、自分の息のかかった執政官を使い、カエサルから軍事力を奪い取ろうとします。

これに対して、ついにカエサルは身内であるローマを敵にすることを決意するのでした。そしてあの有名な「賽は投げられた」というセリフの後で、ローマとの国境ともいえるルビコン川を軍団と共に渡ります。
その続きは、次巻の「ルビコン以後」へと引き継がれました。

著者の巧みな文章の力もあるのでしょうが、それ以上にカエサルという強烈な個性に魅了されました。合理的で理性的、なおかつ剛胆さも持ち合わせているカエサルには、時代を超えて人を惹きつける魅力があると思いました。(^^)

最終更新日 : 2022-10-30

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