
第一部と第二部は、とにかく笑える三国志でしたが、第三部あたりからちょっとくだけた三国志となってしまいました。その流れが今回も続いています。孔明に並ぶ人材として、龐統を得た劉備でしたが、本編でも語られているように、この龐統はさしたる活躍もしないうちに、倒れてしまいました。ここから物語が、一気に下り坂に入るような気がします。
蜀を得たものの、劉備は呉から借りたという名目の荊州を返す様子がありません。そして蜀と呉の関係は緊張感を増してきます。その矢面に立ったのが、荊州を任されていた関羽でした。死後には神様になってしまった関羽ですが、その死は思わぬ形でやって来ました。気位の高さが災いして、部下の心が離れてしまったのです。
そして部下に裏切られた関羽は、斬首されて命を落としたのでした。それを知った劉備や張飛は激しく嘆きます。そして呉に対する復讐を誓うのでした。しかし、その間にも歴史は動きます。なんと関羽の後を追うように、これまで劉備が敵としてきた曹操が亡くなりました。そして魏は、曹操の子である曹丕が後を継ぐことになったのでした。
曹操の後を継いだ曹丕は、曹操すら行わなかった暴挙を行います。漢皇帝を廃して、自分が皇帝を名乗ったのです。それを知った孔明は、劉備こそが漢皇室の正当な後継者であるとして、同じく劉備にも皇帝を名乗らせたのでした。
このようなゴタゴタが続く間も、張飛は関羽の復讐を遂げる日が来るのを心待ちにしていました。しかし、なかなか劉備から声がかかりません。酔って部下を激しく痛めつけた張飛は、部下の反逆にあって命を落としてしまったのでした。それを知った劉備は、さらに深く嘆くことになるのでした。
そして劉備は、孔明が止めるのも聞かずに、ついに呉との戦争を始めてしまいました。蜀の大群を前に、呉は劣勢を強いられます。しかし、司令官である陸遜に巧みに守られて攻めきることができません。そしてついに、陸遜の前に大敗北を喫してしまうのでした。
逃げ延びた劉備は、その後病に倒れました。そして劉備を見舞った孔明に全てを託して、息を引き取ったのでした。三国志的にはだいぶお話が進みましたが、孔明のはっちゃけぶりが見られないのが残念でした。次巻あたりで完結になるのでしょうが、最後の最後くらい思いっきり孔明にははっちゃけてもらいたいです。(^^;
最終更新日 : 2022-10-30