
まだ完全に通しでは聞いていないのですが、ざっと気になる曲を聴いた限りでは、思ったよりいいんじゃないかと思いました。最初の録音が70年代ですので、全体を通して音質も悪くないですし、ポリーニの演奏も予想した以上に完成度が高いと思いました。
細かいことを言えば、ワルトシュタインはできればライブ録音のものではなく、スタジオ録音したものを収録して欲しかったです。第1楽章の激速なテンポは個人的にはちょっと気持ち悪いですが^^;、楽章が進むにつれて気にならなくなりました。気になったのは、観客の咳払いとかですね。
それからテンペストは、2014年に再録音されたものが収録されていました。以前の録音と比べると、テンポが速くなっていて驚きました。70代の演奏とは思えないすごさはありましたが、やはり古い録音の方がテンポ、パワフルさともに個人的に好きです。
これまで私の中では、ポリーニといえばショパンというイメージでしたが、この全集を聞いているとポリーニのベートーヴェンもありだと思いました。一番聞き慣れているのは、バックハウスの演奏なので、それと比べるとかなり硬質な感じがするのですが、鋭く研ぎ澄まされていて感情に流されすぎない硬派な演奏は魅力的だと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30