
インドで暮らしていたセーラは、お父さんと一緒にロンドンにやって来ました。お父さんは、セーラにイギリスで教育を受けさせるために連れてきたのでした。そしてセーラは、ミンチン女学院へと入学しました。お父さんが大金持ちなので、ミンチン先生は大喜びです。親切で親しみやすいセーラは、すぐに他の女の子たちと友達になりました。でも、セーラが来るまでは学院で一番のお金持ちだったラビニアは、セーラを敵視しています。
そんな時、セーラのお父さんがダイヤモンド鉱山を手に入れたことが知らされました。ますますお金持ちになったセーラのために、ミンチン先生は盛大な誕生パーティーを開催するのでした。ところが、そこに弁護士がやって来ました。セーラのお父さんがインドで病死して、一文無しになったというのです。それを聞いたミンチン先生は、セーラを放り出そうとしました。しかし、一文無しになった少女を放り出したのでは、学院の評判が悪くなってしまいます。そこでミンチン先生は、セーラを使用人としてこき使うことにしたのでした。
それまでの豪華な部屋から一転、セーラには汚れた屋根裏部屋が与えられました。以前から気にかけていたベッキーは、セーラのことを気遣ってくれますが、2人の少女は朝から晩までこき使われて、ゆっくり話をする暇もありません。そんなある夜、アーメンガードがセーラのところにやって来ました。アーメンガードはあまり賢くはありませんが、これまでと同様セーラのことを友達だと思っていました。
セーラが飢えていることを知ったアーメンガードは、セーラのために家から持ってきたケーキを持ってきてくれました。しかし、時々アーメンガードがいなくなることは、ラビニアに知られていました。ラビニアから話を聞いたミンチン先生は、セーラの部屋へと乗り込んできました。冷酷なミンチン先生は、セーラに罰として1日中食事を与えないことにしたのでした。
そんなある日、セーラの部屋に不思議な訪問者が現れました。それは一匹の猿でした。最近インドから越してきた、隣の家のインド人の水夫が飼っている猿でした。セーラの窮状を知った青年は、夜ごとにセーラのためにごちそうや毛布、本や暖かな暖炉を用意してくれました。でも、セーラはそれが誰の親切なのか知りません。
そして再び、夜中に猿がセーラの部屋にやって来ました。猿は外の寒さに凍えていました。そこでセーラは、その晩は猿を自分の部屋に泊めて、翌朝隣の家まで送り届けることにしたのでした。隣の家のクリスフォードは、実はセーラの父と一緒に仕事をしていました。しかし、熱病に倒れた彼は、その後でセーラの父が亡くなったことを知ったのでした。セーラの父の分まで財産を預かったクリスフォードは、何とかしてその娘を探し出そうとしていました。しかし、どうしても娘を見つけ出すことができないでいたのでした。
そんな時、猿をつれたセーラが彼の前に現れました。セーラはラムダスがインドの水夫だと知っていました。それを不思議に思ったクリスフォードは、セーラの生い立ちを尋ねました。そして彼は、セーラこそが自分が探し求めていた娘だと知ったのでした。
こうしてセーラは、クリスフォードと共に暮らすようになりました。一緒に働いていたベッキーは、セーラの使用人として一緒に暮らすことになりました。ミンチン先生は、セーラに学校に戻るように頼みに来ました。しかし、ミンチン先生の仕打ちを知っていたクリスフォードは、彼女を追い返したのでした。
今回、要約版という形ですが「小公女」を読み返して、アニメ版の「小公女セーラ」を見ていた時のことを思い出しました。"いじめ"問題が取り上げられるようになった時期の作品なので、アニメ版ではセーラがかなり悲惨な状況に置かれます。ミンチン先生の冷たい仕打ちも悲しかったですが、それ以上に見ていて苦しかったのはラビニアの態度でした。ラビニアが親に頼んで、セーラを自分の専属メイドにしようとする話は、見ていて息苦しくなるほどでした。そしてセーラが自分を守るために、かっての同級生をメイドにしたいならとラビニアの親に伝える場面も哀れでなりませんでした。(;_;)
YL 2.0〜2.2
総語数 5840語
最終更新日 : 2022-10-30