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2014-08-26 (Tue) 18:41

ハッカーズ/スティーブン・レビー

ハッカーズ以前から一度読んでおきたいと思っていた、スティーブン・レビーの「ハッカーズ」をようやく読み終えました。

コンピュータの進歩を語る上で、避けては通れないハッカーという存在。この本では、最初のハッカーがどうやって生まれてきたのか、そしてその後どのように変化していったのかが3部構成で語られています。

第1部に登場するのは、MITの鉄道模型クラブに所属していたメンバーによるハックです。この時代には、コンピュータを見たことがある人は、まだ稀な世界です。そんな中、ようやく大学にもコンピュータが導入されようとしていました。そんなコンピュータを見つけて、その虜になってしまったのが、この鉄道模型クラブのメンバーでした。彼らはわずかな隙を見つけては、コンピュータを使いました。そしてコンピュータに精通していったのでした。

この時代、ソフトウェアには著作権など存在しませんでした。メインとなるのは、あくまでハードウェアで、ソフトウェアはそのおまけ程度に考えられていたのでした。そんな中でクラブのメンバーは、まずソフトウェアを作るためのソフトを作るところから始めなければなりませんでした。そして、そうして出来上がったソフトは、みんなの共有財産となりました。誰でも自由に使えたし、改良することができたのです。そして優れた改良をした者は、周囲の賞賛を得たのです。それがハッカーと呼ばれる人たちです。

第2部では、ハードウェアのハッカーたちが登場します。第1部より少し後の時代、コンピュータはまだ個人が所有するものではありませんでした。そんな中、自分だけのコンピュータを持ちたいと考える人々がいました。彼らは集会を開き、そこでお互いに情報交換をしました。そして、ついに最初のパーソナル・コンピュータが誕生しました。それがオルテアでした。とはいえ、このオルテアはキットとしてしか発売されておらず、使いたい人間はまずそれをはんだ付けして組み立てる必要がありました。しかし、コンピュータ好きな人々は、このコンピュータに殺到したのでした。

そんな中、オルテア用のBASICを開発したビル・ゲイツは、その著作権を主張しました。しかし、彼の主張はハッカーの倫理から外れるものでした。そのため周囲からの大きな反発を受けたのでした。個人的には、この時代にソフトウェアの商品価値に目をつけたゲイツは、ビジネスマンとして先見の明があったと思います。ハッカー的に見ると、最低の裏切り者だと思いますけど。(^^;

さらに、そんな混沌とした時代にアップル社を立ち上げたジョブズとウォズニアックは、完成品のパーソナル・コンピュータ、Apple II を発売したのでした。このコンピュータの登場が、やがて世界を変えていくことになりました。そして、これをきっかけにコンピュータは、一般家庭にも進出してくることになるのでした。

第3部では、家庭用コンピュータの普及に大きな影響を与えたコンピュータ・ゲームが登場します。
ゲームも最初は、ユーザー同士の間でコピーし合う共有財産でした。しかし、ここでもこれが商品になると目をつけた者がいました。この本では、オンライン・システムズ社を起こしたケン・ウィリアムズを中心にソフトウェアの世界の変化が描かれました。

黎明期のゲーム業界は、優れたハッカーが開発したゲームを家内工業的に販売する小規模なものでした。しかし、それはじょじょに大きな市場を獲得します。大金が得られる世界になると共に、ハッカーの倫理は次第に消えていきました。最初期にはメーカー同士で技術的な情報の交換も普通に行われていましたが、やがてそれは企業秘密という壁の中にしまい込まれることになりました。

ソフトウェアが商品化されると共に、ハッカー文化は消えていきました。そんな中で最後のハッカーとして登場するのが、GNUプロジェクトなどで有名なリチャード・ストールマンです。本が執筆されたのが1980年代ということもあり、本書はここで終わっています。しかし、消えたと思ったハッカー文化は、オープンソースという形で再び注目されることになります。

というわけで、600ページ以上の2段組の本だったので、読み終えるまでに思ったより時間がかかりました。この本を読んだことで、コンピュータの歴史を振り返ることができたのはよかったです。
ただ、ちょっと残念だったのは、翻訳が今ひとつだったことです。けっこう版を重ねている本なのに、誤変換や日本語の文章になっていないところが何カ所もあって、読んでいて戸惑うことがありました。

最終更新日 : 2016-04-22

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