
表題作をはじめとする12作の短編集でした。あちこちで最高の評価を与えられている短編集ということだったので、とても期待して読み始めました。しかし、最初のお話は物語が唐突に終わる感じでしたし、その後のお話もあまりぴんとこず、どうして多くの人が絶賛しているのか不思議に思いました。
それが変わったのは、本の中盤くらいからでした。「あのばかな子たちを捕まえろ」「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」「花の名前と女の子の名前」「ブロンクスの中央青果市場にて」「華麗なる奇術師」「最高の妻」と、後半の作品はどれも面白かったです。
どの作品にも共通しているのは、物語られている場所や空気が伝わってくる描写力の素晴らしさです。ニュースやドラマで伝えられるのとは違った、アメリカの片田舎に暮らしている人たちの様子が生き生きと描かれています。
最終更新日 : 2016-04-22