
結城浩さんの数学ガール・シリーズは、数学嫌いの人にも面白く数学の世界を垣間見せてくれる素敵な物語です。
これまでのシリーズも面白かったですが(あ、5作目の「ガロア理論」はいまだに読み終わってなかった!(^^;)、数学的な内容のレベルが高すぎて、置いてきぼりになってしまうことがあるのが残念でした。
そんな私のような読者が多かったからでしょうか。この新シリーズでは、内容的なレベルをかなり下げてストーリーが進行していきます。今回テーマになっているとは式とグラフということで、y = ax みたいな式とグラフの関係をわかりやすく解説してくれています。内容的には、中学生レベルくらいでしょうか。
今回この本を読んだおかげで、式とグラフの関係ってこういうことだったのかあ!と納得できました。なんか私の中学時代には、理屈はともかく数式を解けるようになりなさい、グラフを描けるようになりなさいっていう教え方しかしてもらわなかったような気がします。(^^;
賢い人は、それで2つの関係性に気がつくのでしょうが、私のような賢くない人は、なんだか面倒な計算ばかりさせられて、ちっとも面白くない。数学嫌い。数学なんてこの世からなくなればいいんだ〜とか、思うようになってしまったのでした。(笑)
今回は内容がやさしいこともあって、ミルカさんの出番は少なめです。でも、所々で的確な指摘はしてくれています。物語のメインは、"僕"とテトラちゃん、ユーリでした。これまでのシリーズでは、数学以外の部分で物語に動きがあったりしましたが、新シリーズでは物語としての動きがないのが少し寂しかったです。
ということで、この本は大人だけでなく現役の中学生にもお勧めしたいです。特に数学の授業があまり面白くないと思っている人が読むと、今までとは違った視点で数学を楽しめるようになるかもしれません。
最終更新日 : 2022-10-30