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2013-02-12 (Tue) 19:59

いつまでもショパン/中山 七里

いつまでもショパン (『このミス』大賞シリーズ)中山七里さんの「いつまでもショパン」を読み終えました。この作品は、「さよならドビュッシー」から始まる岬洋介を探偵役としたシリーズの第3作です。

今回の舞台は、ポーランドで行われるショパンコンクールです。物語の語り手となるのは、ポーランドのピアノの名門家庭に育ったヤン・ステファンスです。彼はポーランドの期待の星として、世間からの注目を集めていたのでした。
そして、コンクールの予選が始まりました。各演奏者が、それぞれに技巧を凝らしたピアノ演奏を披露しています。そんな中で、1つの殺人事件が発生しました。凶悪な爆弾テロリストで、ピアニストとあだ名される人物を追っていた刑事が何者かに殺害されたのです。刑事は銃で撃たれただけでなく、両手の指を切断されるという不可解な殺され方をしていたのでした。

さらに、ポーランドではアルカイダの手によるテロが頻発していました。そんな中でコンクールは中止されるかと思いきや、審査委員長はあくまでもコンクールを続けることを宣言しました。ここで演奏を中止すること、それはテロに屈服することになるからだと、委員長は民衆に宣言したのでした。

こうしてコンクールは、その後も続きます。ヤンは何とか予選を勝ち続けますが、その中で彼には迷いが生まれていたのでした。特にヤンの心を揺さぶったのは、2人の日本人の演奏でした。その1人、榊場隆平は盲目のピアニストです。そのモデルは、話題のピアニスト・辻井伸行さんかなあと思いましたが、その演奏の素晴らしさにヤンは打ちのめされてしまったのでした。

そして、もう1人ヤンを打ちのめしたのは岬でした。2人の演奏を聴いて以来、ヤンは自分の演奏は周囲に影響されて作り上げられたロボットの演奏のようだと思い始めたのでした。物語は、そんなヤンの精神的な成長を描きつつ、コンクールのピアノ演奏の詳細な描写も加わって、まるで本の中からショパンの演奏が聞こえてくるかのような迫力がありました。

推理小説ということで、一応最後に犯人が判明するのですが、物語を読んでいる途中で謎解きなんてどうでもいいものに思えてきました。それくらい、この作品は演奏描写に力が入っていて、読み応えがありました。
そうそう。今回の作品では、これまでこのシリーズを読んできた読者へのプレゼントとして、先の2作品に登場した主人公たちが顔を見せてくれています。もちろん、先の2作を知らなくても楽しめる内容ですが、それを知っていれば思わずにやりとできる楽しみがあります。

最終更新日 : 2016-04-22

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