
リストラ請負業、村上真介を主人公にしたこのシリーズも3作目になりました。今回は、「ビューティフル・ドリーマー」、「やどかりの人生」、「みんなの力」、「張り込み姫」の4作が収録されていました。その中でも、一番面白かったのは、大手自動車メーカー・マスダの整備士を主人公にした「みんなの力」でした。メーカー名のマスダは、思いっきりマツダなのですが^^;、その整備士の車にかける愛情と乗り手の安全を最優先にした整備方針に、とても共感できるものがありました。
しかし、そんな整備士の思いとは裏腹に、会社はできるだけ短時間で顧客との打ち合わせを行い、時間のかかる作業よりは手短な作業を、修理よりは買い換えを勧める方向で話をもっていかせようとします。しかし、この整備士は自分のポリシーとして、それは受け入れられないのでした。そして彼は、ついに会社を去る決意をします。そんな時、主人公の真介の友人・山下をはじめとした、彼だからこそ整備をお願いしたいと思っている顧客が立ち上がりました。その中の1人にカキさんと呼ばれる作家がいたのには笑ってしまいました。(どう考えても、作者本人のことですよね(笑))
そういえば、第2作の「やどかりの人生」に登場した主人公も、観光業で働きつつ小説を書いていました。このような形で、作者の面影が作品の中から感じられるのはちょっと楽しいですね。
そして最後の「張り込み姫」では、新潮社ならぬ真潮社が登場したのにも笑ってしまいました。
最終更新日 : 2022-10-30
著者:垣根涼介 張り込み姫 君たちに明日はない 3(2010/01/15)垣根 涼介商品詳細を見る シリーズ第3作にあたる作品。 本作も、2作目である『借金取りの王子』とカラーが似ている印 …
2013/02/04 15:43 新・たこの感想文