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2013-02-01 (Fri) 22:03

幻魔大戦(7)/平井 和正

平井和正さんの「幻魔大戦」第7巻を読み終えました。

この巻では、丈が再び江田四朗と対決することになりました。
丈の姉・東三千子は、丈と共にGENKENを立ち上げた久保陽子の母親から電話を受けました。深夜にも関わらず、陽子が帰ってこないというのです。陽子は丈から呼び出されたと陽子の母は決めつけて、一方的に丈を非難します。しかし、三千子には今丈がどこにいるのかさえわからないのでした。

そして三千子は、丈に心で呼びかけます。その最中、三千子の幽体は体を離れて、陽子のいる江田四朗の元へと赴いたのでした。そこで三千子は、幻魔となってしまった四朗と対面することになるのでした。四朗とその手下たちは、三千子を脅かしますが、彼らには三千子を傷つけることはできません。そればかりか三千子は、自らの秘められた力、炎を操る力で彼らを焼き尽くすのでした。

三千子が正気に返ると、そこには丈がいました。丈は今まで田崎と共にいたのでした。しかし、三千子の身に異変が起きたことを知って帰ってきたのです。三千子から陽子が消えたことを聞かされた丈は、自ら江田四朗のところに乗り込む決意をしました。そんな丈に、三千子や田崎、郁江も同行するのでした。

四朗は、とあるお寺を本拠地として自らの支持者を集めていました。そこにやって来た丈は、四朗に陽子を返すように要求しました。意外とあっさりと四朗は陽子を返しましたが、陽子はまるで人形のようで自らの意志を失っていたのでした。陽子がそんなに変わり果ててしまったのは自分の責任だと、丈はまた自らを責めるのでした。

そして、陽子の騒動で睡眠も取らぬまま、とうとう丈はクリスマス講演の日を迎えました。そこには、会員たちの予想を超えた人数が集まっていました。集まった人々に丈は、世界の真実を語り始めます。そして自らは救世主ではないことも断言するのでした。さらに丈は、いつか必ず真の救世主が現れることも伝えました。そして、その一方で偽物の救世主、悪の救世主が現れて人々を惑わすことを教えたのでした。

そして丈は、人々に偽物に惑わされることなく、本物を見抜く目を持って欲しいと訴えかけました。そして真の救世主の姿も人々に伝えました。真の救世主、それは不思議な力であっという間に世界に平和と安らぎをもたらす存在ではありませんでした。自らにも、そして他者にも厳しく、人々を正しき道へと導いていく者だと教えたのでした。

こうして大喝采の中、丈のクリスマス講演会は終了しました。そこには丈を祝福する多くの人々が集まっていました。これまでに丈に導かれてきた者、そしてこれから丈と共に歩もうとする人々でした。

丈の講演内容を今回あらためて読み返して、その内容に愕然としてしまいました。オウム真理教が現れるずっと前に、そのような存在が現れて人々を惑わすことが既にこの本の中で予見されていたからです。そして、現在の私たちの状況の厳しさ、悲しさもまた、この講演で語られていました。この本が書かれた時代よりさらに、今の時代は幻魔にとって人類につけいりやすい時代なのだと感じました。

それにしても、この作品はSF小説という枠を越えたとんでもないお話だと思います。特に、作品が内在しているパワーが凄いです。じっくり読み込むと、論理的に破綻している部分が指摘できるかもしれませんが、そのような細事を越えて作者が読者に何かを伝えようとしている圧倒的な力を感じます。

最終更新日 : -0001-11-30

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