
このCDはピリオド奏法を取り入れた演奏で、これまでの歴史的な名盤と呼ばれるCDと比べると、圧倒的に快速な演奏なのが特徴です。第1楽章を聴いた時は、これはあまりに速すぎると思いましたが、それは私の基準がフルトヴェングラーの演奏だったからかもしれません。
ただバッハの演奏でも、ゲーベル指揮でムジカ・アンティクヮ・ケルンが演奏した快速ブランデンブルク協奏曲などがありましたが、こういった演奏は個人的には嫌いではありません。
最初に感じた違和感は、第2楽章、第3楽章と進むにつれて薄れてきました。そして、第4楽章です。この演奏では、合唱も比較的少人数で歌われているようです。そのせいか、1つ1つの言葉がはっきりしていて聞き取りやすく、軽快な演奏になっていました。個人的にも、大人数での合唱より、少数精鋭といった感じの合唱が好みということもあって、この第4楽章には感激しました!
全体を通した印象は、第1楽章〜第3楽章までは他の第九演奏を聞き込んでいると、最初かなり戸惑いますが、これはこれで面白い演奏だと思いました。そして第4楽章は、かなり私好みの演奏でした。テンポのメリハリもはっきりしていて、聴いていて痛快な思いがしました。
最終更新日 : 2022-10-30