
シンプルライフをテーマにした本はいろいろとありますが、この本では買わないことで生活を整理して、本当に必要なものだけに囲まれて生きる幸福が語られていました。その主張の全てに共感できたわけではありませんが、内容の8割くらいには共感することができました。
人がお金を欲しがるのはなぜか、著者はまずここから分析します。それは将来に対する不安であったり、欲しい物を手に入れるためであったり、さまざまな理由があります。しかし、お金があれば本当に不安がなくなり、満足できる生活を送れるのかと著者は疑問を投げかけます。
その調査のため、著者は3人の人間に協力してもらい、買わない1週間を過ごすことができるかという挑戦をします。残り物をうまく活用して、これまでより無駄のない生活をできた人もいれば、大きく生活を変えることができなかった人もいました。しかし、"買わない"が意識にあったために、それぞれ普段何の気になしに買っていたものを買う前に、本当に必要なのかと考えていたのは印象的でした。
私たちの生活では、何となくそれが生活のパターンとなっていて、ついコンビニに行ったり、ファストフードを買ってしまったり、百均で無駄なものを買ってしまったりということがあります。これを少し生活見直すことで変えていく、それが自分の生活の質を変えていくことでもあるのだと思いました。
もちろん、買わない生活といっても、何もかも買わないというわけではありません。必要なものは購入するわけですが、それは本当に必要であったり、毎日の生活を幸せにしてくれるものであったり、自分自身を高めてくれるものであったりします。そして、それを買うときも思いつきですぐに買ってしまうのではなく、じっくりと考えた上で購入することが大切なのだと思いました。
この本を読んだことで、私自身今の生活を見直してみるよいきっかけになりました。無闇にけちけちするのは辛いだけですが、こうすればもっと節約できるのではないか、こういう方法もあるのではないかと考えることは、創造的で楽しいものだと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30