
3冊目となるこのシリーズですが、今回は2011年から2012年初頭までの国内外の状況をまとめた内容になっていました。第1章では、アラブの春が扱われていました。エジプトの民主化など、少し前にニュースになっていた話題がわかりやすくまとめられていて頭の整理ができました。それに加えて、中東をめぐる先進国の思惑もわかって、先進国がいかに自らの利益のために、この地域の国々を利用してきたかがわかりました。
第2章では、3つの独裁国家が取り上げられました。1つは北朝鮮、もう1つは中国、そして最後はロシアです。これらの国々とは、日本は地理的にも近い関係にありますし、それぞれの国で何が起こっているのかは、これからもきちんと把握していかなければならないと思いました。
第3章は、資本主義社会の危うさが取り上げられました。20世紀には、社会主義国が次々と民主化路線をとって、資本主義の勝利と思われましたが、その資本主義にもいろいろとほころびが見え始めています。それを例を挙げて、わかりやすく説明されていました。
第4章では、日本国内の問題が取り上げられました。東日本大震災から1年以上が経過したというのに、震災の復興は遅々として進みません。その一方で国の借金はふくれあがり、消費税の増税も迫ってきました。ここで語られる日本の現状を見ると、どうすれば未来に希望が持てるのかと不安な気持ちになります。
第5章では、今注目する国としてトルコ、ミャンマー、台湾が取り上げられていました。この3国の中では、トルコの重要性に気がついていませんでしたので、今後の世界情勢を見る上でとても参考になりました。
第6章では、エネルギー問題について語られていました。福島での大規模な原発事故以来、世界の流れは脱原発へと動いています。そんな中で、次のエネルギー源として何が有望なのかが中期的、長期的な視点から語られていて参考になりました。
最終更新日 : 2022-10-30