
この本は、著者がミラノに在住していた頃の思い出を綴った本です。まだ海外留学が珍しかった時代に、海外へと出て行き、イタリア人の男性と結婚した著者の行動力には驚かされます。題名にはミラノとついていますが、エッセイに出てくるのはミラノだけではなく、イタリア各地が登場します。こういったエッセイの場合、観光的なものになりがちですが、著者の場合はもっと着実な地域の生活に密着したものになっていました。
そしてこの本で圧倒されたのは、次々に出てくる現地の人、人、人です。さまざまな個性を持った人々との思い出が語られていますが、その1人1人がとても魅力的だと思いました。そして人物のことを語っているはずなのに、そこになぜかイタリアという地域性が透けて見えてくるのが不思議でした。
最終更新日 : 2022-10-30
須賀敦子さんの「ミラノ 霧の風景」を読み終わりました。この本のことは、池澤夏樹さんのエッセイで知りました。以前から気になっていた本でしたので、ようやく読んだ〜と …
2012/05/25 22:15 まとめwoネタ速neo