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2012-05-10 (Thu) 20:02

吾輩は猫である/夏目 漱石

吾輩は猫である (岩波文庫)夏目漱石の「吾輩は猫である」を読み終えました。以前、岩波文庫から出ている新仮名新漢字のものを読んだことがあるのですが、今回読んだのは旧かな旧漢字のものです。多少、最初はとっつきにくかったですが、慣れれば旧かなの方が味わいがあるなあと思うようになりました。

あまりにも有名なこの作品ですが、私の身近ではなぜか通しで読んだことがある人は少ないです。猫の目から人間の世界を見た様子を描写しているのが楽しい作品なので、できれば多くの方に読んで欲しい作品です。

この作品でいいなあと思うのは、猫の飼い主である苦沙弥先生。そして苦沙弥先生の家に集まってくる、個性的な面々。迷亭、寒月、東風などなどが、それぞれ好き勝手なことを言っています。それで何かが変わるわけでもなく、ただ単にくだを巻いているだけのような気がしなくもないのですが、自由に意見を言い合える場であり関係である苦沙弥先生の自宅は、ちょっとしたサロンみたいでいいなあと思います。

以前に読んだ時も思いましたが、この本は語り口がいいですね。言葉のリズムがいいので、知らず知らず次のページ、さらに次のページと読み進んでしまいます。基本的には、内容は与太話なのですが、途中にはっとさせられる一言が混じっていたりするので、油断のできない作品でもあります。

この作品で唯一の不満は、最後の最後で語り手である猫が死んでしまうことです。実際のモデルになった猫がこういう死に方をしたのかもしれませんが、私自身が猫好きなので、物語のラストはいつも胸が痛くなります。(;_;)

最終更新日 : 2022-10-30

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