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2012-05-03 (Thu) 17:41

アスファルトの虎 Part14/大藪 春彦

アスファルトの虎(タイガー)〈PART14〉伝説への終曲(フィナーレ) (角川文庫)かなり間があいてしまいましたが、大藪春彦さんの「アスファルトの虎」第14巻を読み終えました。大藪作品で最大の長さを持つ作品だけに、とても読み応えがありました。

ドライバーズポイントで同僚のニキ・ウラダに迫られた高見沢。ニキを突き放すべく挑んだ第12戦オーストリアGPでしたが、フリープラクチスからトラブルに巻き込まれ、レース本番でもライバル車の事故に巻き込まれる不運に遭いました。こうしてレースをリタイアした高見沢は、ポイントトップの座をニキに明け渡したのでした。

続くオランダGPでは、高見沢は前回の雪辱を果たします。レースをトップで終えて、ポイント首位のニキに迫ったのです。そしてレースは、イタリアGPへと続きます。イタリアGPを前にマスコミと行われたドライバーズレースで、高見沢は最速ラップをマークしました。その賞品として、高見沢はベレッタ・ジャガー拳銃を手に入れたのでした。

拳銃を手に入れた高見沢は、愛人のブルックやマネージャの浅見と共に射撃を楽しみます。そして高見沢は、フェラーリびいきのイタリアでのGPに挑みます。レース前に行われたラジオ番組での高見沢人気は悪いものではありませんでした。しかし、実際にレースが始まってみると、フェラーリがらみのドライバー以外には観客席から酷いヤジが飛ばされます。おまけに高見沢のマシンはトラブルに見舞われて、レースを途中でリタイアせざるを得ませんでした。そのレース、ニキは優勝を決めて、高見沢との差をますます広げたのでした。

ホームグランドであるイギリスに帰った高見沢は、イタリアで手に入れた拳銃を正式に所持するため射撃クラブへと入会しました。そのおかげで、他の拳銃も購入できる資格を得た高見沢は、ベレッタ以外にSIGザウエルP226とコルト・ガヴァメントを手に入れて射撃を楽しみます。

そんな高見沢に別れの時がやって来ました。夏休みが終わったブルックが、アメリカに帰国することになったのでした。ブルックと深く愛を交わして別れた高見沢は、その後もレース活動を続けます。そして高見沢は、浅見と共に西ドイツで行われるF1ヨーロッパ選手権に挑みます。ブルックがいなくなった後、早速マールボロガールズのエリーゼと高見沢はベッドを共にします。

西ドイツ、ニュルブルクリンク・サーキットで行われたレースは、雨に降られての決戦となりました。そのレースで高見沢は優勝を決めました。ポイントトップのニケは、4位に終わり、高見沢はニキとの差を詰めることができたのでした。そしてレースはいよいよ、最終戦ポルトガルGPを迎えました。そのレースで高見沢はトップになるしかニキに勝つ方法はありません。そしてニキは、2位になれば0.5ポイント差で高見沢に勝つことができるのです。

そして、いよいよ運命のレースが始まりました。絶好調の高見沢は、マシンの好調にも助けられて、レースの優勝を決めました。一方のニキは、マシントラブルに悩まされていました。しかしレース本番、ニキは決死の走りをみせて、2位入賞を決めました。こうして84年のドライバーズチャンピオンは、ニキ・ラウダが獲得したのでした。

その後も高見沢はレース活動を続けます。そんな高見沢のライバルとなってきたのは、アイルトン・セナでした。
引退までに4度のチャンピオンを獲得した高見沢は、各シーズンでセナと激闘を繰り広げることになったのでした。こうして高見沢の長い長い物語は、ついに終わりを迎えたのでした。

再読してみて思いましたが、この物語はやはり前半の高見沢がF1ドライバーとなるために手段を選ばずのし上がってゆくところが一番面白いですね。F1ドライバーとなってからは、レース活動だけでなく、ハンティングの描写にも力が入れられました。終盤はなんだか同じ展開の繰り返しばかりでしたが、無事に物語が完結できて本当によかったと思います。大藪春彦さんが生み出したヒーローは数多くいますが、その中では私はこの作品の主人公・高見沢優に一番憧れを感じますね。

最終更新日 : 2022-10-30

* by マイケル
今まで読んだ大藪作品で最低でした。
1、汚れた英雄
2、野獣死すべし
3、蘇る金狼

Re: タイトルなし * by 横溝ルパン
大藪作品の集大成と見れば、それなりに読める作品ではないでしょうか。少なくとも、トンデモ本との噂もある「餓狼の弾痕」や「暴力租界」と比べれば、はるかにまともです。
挙げられている3作品は確かに傑作ですが、コアな大藪ファンからすれば今更という気がしてしまいます。

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Comment

今まで読んだ大藪作品で最低でした。
1、汚れた英雄
2、野獣死すべし
3、蘇る金狼
2014-04-13-11:44 マイケル [ 返信 * 編集 ]

Re: タイトルなし

大藪作品の集大成と見れば、それなりに読める作品ではないでしょうか。少なくとも、トンデモ本との噂もある「餓狼の弾痕」や「暴力租界」と比べれば、はるかにまともです。
挙げられている3作品は確かに傑作ですが、コアな大藪ファンからすれば今更という気がしてしまいます。
2014-04-14-22:51 横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]