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2012-04-19 (Thu) 22:02

ピエタ/大島 真寿美

ピエタ2012年の本屋大賞で第3位に選ばれた、大島真寿美さんの「ピエタ」を読み終えました。

作品の舞台となるのは、18世紀のヴェネツィアです。ピエタと呼ばれる孤児を育てる慈善院の娘、エミーリアに恩師のヴィヴァルディ先生がウィーンで亡くなったという知らせが届くところから物語が始まります。ヴィヴァルディは、「四季」などで有名な大音楽家ですね。この作品を読むまで知らなかったのですが、ヴィヴァルディは司祭として働いていて、ピエタとも深い関わりがあったのでした。

ピエタの合奏・合唱の娘であったエミーリアやアンナ・マリーアは、ヴィヴァルディとも深いつながりがありました。そんな時、ピエタの実務を担っているエミーリアは、貴婦人のヴェロニカの元を訪れました。そこでエミーリアは、かって楽器を習うためにヴェロニカがピエタにやって来た時、とあるパート譜の裏に詩を書いたことを教えられました。そしてヴェロニカは、その譜面を入手してくれとエミーリアに頼むのでした。

物語の軸となるのは、この譜面がどこにあるのかという謎です。しかし、それ以上に登場する人物が魅力的な作品でした。主人公となるエミーリアの慎ましく賢いだけでなく、時に思い切った行動に出る度胸の良さ。そんなエミーリアと心が通じ合っているアンナ・マリーア、貴婦人としてのけだるさをにじませながら、どこか茶目っ気が感じられるヴェロニカ、ヴィヴァルディとも関わりがあった高級娼婦のクラウディア。彼女たちが、実際に生きていたのではないかと思わせる存在感がありました。

読み始めた最初は、18世紀のヴェネツィアが舞台ということで、すんなり作品に入り込めないのではないかと心配しましたが、それは完全に杞憂に終わりました。この本を読んでいる時、今とは違うもっとゆったりとした時間の流れに包まれている気分になりました。そして、その雰囲気がとても心地よい作品でした。

ヴェネツィアが舞台というと、アニメファンとしては「ARIA」を思い出しますが、それと同じようにこの作品にも心地よい風が吹いている気がしました。でも、その風は「ARIA」とはまたちょっと違った独特のものです。
次々と事件が起こる慌ただしい物語もいいですが、たまにはこういったゆったりと楽しめる作品もいいものだなあと思いました。

最終更新日 : -0001-11-30

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