
この本では、五木さんが実践しているさまざまな健康法が紹介されています。単なる健康法に終わらず、養生とはどういうものであるのか、精神的なところまで突っ込んで説明されていました。
現在の日本は、震災後の原発からの放射能漏洩などもあり「明日が見えない時代」です。そんな中で頼りになるのは、自分自身の体と心が健康であることです。私自身、障害があることもあり、今まで当たり前だと思っていた健康が実は当たり前ではなかったことを痛感しています。ですので、著者のこの主張には共感できるものがありました。
そして、実際に五木さんが実践されている体操などが紹介されています。起き抜けに布団の中で手をすりあわせたり、指をすりあわせたりする簡単なものばかりです。でも私は、起床直後からしばらくは調子が悪いので、五木さんの勧める方法を実行するのは難しそうです。しかし、本書によれば自分が実行できるもの、続けられるものだけ続ければいいということなので気が楽です。
この本で勧められているものの中で、自分が手軽に始められると思ったのは「時計をすぐに見ない」です。すぐに時計を見ないことで、自分の体内時計とか時間感覚を磨くことができます。これを手始めに、体の声に耳を傾ける習慣が身につけばいいなあと思います。
最後に、この本で一番印象に残ったのは、「明日死ぬとわかっていてもやるのが養生」という言葉でした。最後の瞬間まで、常に自分の体をよりよい状態に保ち続ける努力、それが大切なのかもしれませんね。
最終更新日 : 2022-10-30