
現在は作家になっている"僕"は、学生時代にとある経験をしていました。その経験は"僕"にとってトラウマになるような出来事であり、しかしそのおかげで作家になることができた出来事でもありました。
大学生だった"僕"は、とある少女の交通事故を目撃しました。その時に一緒にいた少女の奇妙な行動。"僕"はそれを見てしまったのでした。少女は事故死した友達に駆け寄る前に、きちんと携帯ゲーム機のゲームをセーブしていたのでした。
その後、"僕"はその少女Uに誘拐されることになってしまいました。小学生が大学生を誘拐するという、かなり間抜けな状況ですが、Uの家の物置に監禁された"僕"は、そのうちにとある事実に気がついてしまうのでした。
西尾維新さんの本を読むのは2作目なので、あまりこの方の文章にはなじみがありません。それでも、読み始めてすぐに感じたのは、グダグダとして文体がとても読みにくいことでした。何度か途中で投げだそうかと思いましたが、本のカバーに「この本を書くのに10年かかった」という宣伝文句がありましたので、それだけの作品ならと考え直しました。
読み終わった今、それだけの努力をしてまで読むほどの作品ではなかったな~と思いました。帯の文句や作中の"僕"が西尾維新さん本人のことを思わせるので、自伝的な作品かと思い込んでしまいましたが、それは全て作者と出版社が作り上げた巧妙な嘘だと思いました。
もしかして、作者はこの作品で文学っぽいものを書きたかったのかもしれませんが、重いテーマを抱えている割には甘い結末とか、表紙のイラストを見ると、どう考えてもラノベにしか思えません。
最終更新日 : -0001-11-30
著者:西尾維新 少女不十分 (講談社ノベルス)(2011/09/07)西尾 維新商品詳細を見る 小説家として10年間、生計を立ててきた。しかし、私自身は、未だに「小説」を書いている、という... …
2012/10/04 20:02 新・たこの感想文