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2012-01-06 (Fri) 22:11

乙女の密告/赤染 晶子

乙女の密告赤染晶子さんの芥川賞受賞作、「乙女の密告」を読み終えました。

赤染さんの作品は、以前「うつつ・うつら」という短編集を読みました。その後、芥川賞を受賞されたことは知っていましたが、今まで何となく受賞作を読まずにきてしまいました。前作もそうでしたが、それほど分量がある作品ではなかったので、この機会に読んでみることにしました。

舞台となるのは、京都のとある外国語大学。登場人物は、そこに通う乙女たちとドイツ語教授のバッハマンです。物語の語り手となるのは、乙女の1人・みか子です。みか子たちは、バッハマン教授から言われて「アンネの日記」をドイツ語で暗唱することになりました。教授は厳しい人なので、乙女たちは必死で暗唱する文章を覚えようとします。しかし、みんななかなか全てを暗唱することはできません。

そんな乙女たちの中に、みか子も憧れる麗子がいます。麗子はいつもスピーチコンテストで優勝している優秀な生徒です。しかし、麗子はある時からバッハマン教授との仲を乙女たちから疑われて、乙女たちのグループから浮いた存在になってしまいます。そして、麗子の潔白を確かめようとしたみか子も、また誰かの密告によって乙女たちから距離を置かれてしまうのでした。

作品の雰囲気は、どこかギャグマンガのような非現実感があります。登場人物は全てマンガのキャラクターかお芝居を演じているように思えて、存在感も希薄な感じです。そんな乙女たちを中心に、物語は彼女たちが暗唱しようとしている「アンネの日記」と重なってきます。
そして、どこか浮き世離れしたお話なのに、アンネが感じたユダヤ人以外の人間になりたいという願いと、それでもユダヤ人でい続けたいという重たい気持ちが胸に残ります。
前作の「うつつ・うつら」もそうでしたが、読み終わった後に不思議な気持ちになる作品でした。

最終更新日 : 2016-04-22

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