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2011-05-20 (Fri) 21:11

スティル・ライフ/池澤 夏樹

スティル・ライフ (中公文庫)池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」を読み終えました。この本には、表題作の「スティル・ライフ」と「ヤー・チャイカ」の2本が収録されていました。

池澤さんの小説を読むのは初めてでしたが、その透明感のある内容に驚きました。「スティル・ライフ」は、主人公の青年とバイト先で出会った男性・佐々井とのちょっとしたやり取りを描いただけの作品なのですが、主人公や佐々井の静かな生き方が魅力的でした。リアリティのある物語というよりは、童話のような優しさが感じられる作品でした。

特に、佐々井の無駄な物はいっさい持たない生き方には憧れさえ感じました。彼の持ち物は登山用のリュックと両手に持った鞄しかありません。いつでもどこでも気の向いた時に気に入ったところに出かけていける気安さがうらやましいと思いました。
こんな何も持ってないような佐々井ですが、なぜかプロジェクターと何冊かのスライドフィルムを持っています。そのスライドに写されている風景は、なんということのない山や川の風景なのですが、主人公と2人でただそれを眺める場面に何か癒されるものを感じました。

そして「ヤー・チャイカ」は、父と娘の2人暮らしの家庭を描いた物語でした。父の文彦は、自衛隊に関わる仕事をしているエンジニアのようです。娘のカンナは、高校生で部活は体操をやっています。ある日、文彦は出張で東北へと出かけました。その帰り道で、車が故障したロシア人クーキンと出会いました。2人は同じように霧の中で迷子になったことがあり、それをきっかけに仲良くなりました。

クーキンはやがて、カンナにスケートを教えるようになりました。そして、メインとなる物語の合間に、カンナが恐竜を飼っているという空想的な作文が挿入されます。この部分を読んだ時、榛野なな恵さんの「Papa told me」を思い出しました。「Papa told me」と同じく、この作品も父娘とクーキンの日常を描きつつ、どこかファンタジックな心温まる作品でした。

最終更新日 : -0001-11-30

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