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2011-05-16 (Mon) 20:00

罪と罰(下)/ドストエフスキー

罪と罰 (下巻) (新潮文庫)ドストエフスキーの「罪と罰(下)」を読み終わりました。大作なので時間はかかりましたが、登場人物の語りも多くて、予想外にスムーズに読み終えることができました。

後編では、ドゥーニャとルージンを巡る物語がまず描かれました。教養はあるが貧しい女を妻として、一生その女を自分の支配下に置きたいと考えていたルージンでしたが、その目論見はラスコーリニコフが現れたことで消えました。
それでもドゥーニャを諦めきれないルージンは、ソーニャに窃盗の罪を着せて自分の正当性を主張しようとします。しかし、そんな彼の企みは、彼に部屋を間借りさせていたレベジャートニコフの告発によって失敗に終わるのでした。

ラスコーリニコフは、その後も罪の意識に苦しめられています。ポルフィーリーの言動が、彼の苦しみに拍車をかけます。そんな時ラスコーリニコフがすがったのは、貧しき娼婦ソーニャでした。ソーニャはラスコーリニコフの罪を知って、彼に自首することを勧めました。自殺さえ考えていたラスコーリニコフは、やがてソーニャの考えを受け入れるのでした。

下巻では、ドゥーニャを家庭教師として雇っていたスヴィドリガイロフも重要な役回りで登場します。スヴィドリガイロフは、ソーニャの部屋の隣の部屋を借りていて、ラスコーリニコフの告白を聞いてしまったのでした。
それを知ったスヴィドリガイロフは、それを材料にドゥーニャに自分を恋するように迫ります。しかし、ドゥーニャはそれをきっぱりと断りました。失意のスヴィドリガイロフは、ついに自らの頭を拳銃で撃って自殺したのでした。

そして、とうとうラスコーリニコフは自ら警察へと出頭しました。流刑地で刑期をつとめることになったラスコーリニコフを追いかけて、ソーニャも同じ地へと向かいます。服役したものの、ラスコーリニコフの心の苦しみは楽にはなりません。そんな彼を気遣うソーニャにも酷い言葉をはくことがありました。しかし、ついに最後にはソーニャの思いがラスコーリニコフに届いたのでした。

この物語の主人公はラスコーリニコフなのですが、それ以外にも興味深い人物が次々と出てきます。
妻がありながらドゥーニャを恋したスヴィドリガイロフは、いかさま師として非道な行いをしていますが、その一方で母を失ったソーニャの妹たちに孤児院を手配してやったり、若い女性には不思議な優しさを見せます。
単にスヴィドリガイロフがロリコンなのかもしれませんが^^;、悪人だからといって全てが悪いわけではなく、善人とはいえ全てが正しいわけではないといった、人間の心の不思議さがうまく描かれた人物だと思いました。

そして、ソーニャの母・カテリーナ・イワーノヴナも強烈な印象を残しました。肺病を病み、極貧にあえぎながらも、彼女の心はかって上流階級の人間として生きた日々のことが忘れられません。あまりの悲しみと苦しみから、彼女はとうとう発狂してしまいましたが、街頭で子供たちに歌を歌わせる様子には痛いほどの悲しみを感じさせられました。

そしてソーニャ。貧しさ故に、彼女は娼婦となったのですが、その心は驚くほど清らかです。物語の登場人物だから、このように落ちるところまで落ちても心清くあれたのかもしれませんが、本当に彼女のような極限状態にある時、それでも人は清くあり続けることができるのか興味深かったです。

最終更新日 : 2016-04-22

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