日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › 読書 › 池澤 夏樹 › 異国の客/池澤 夏樹
2011-05-06 (Fri) 22:24

異国の客/池澤 夏樹

異国の客 (集英社文庫)池澤夏樹さんの「異国の客」を読み終えました。この本は、先に読み終えた「セーヌの川辺」の前日談です。

エッセイは、池澤さんがフランスのフォンテーヌブローに移り住むことになったところから始まりました。「セーヌの川辺」でもそうでしたが、上品で落ち着いた文体と共にフォンテーヌブローでの生活、そこで考えたことなどが次々と語られていきます。

東日本大震災の後ということもあり、読みながらつい災害や原発について書かれている部分に目がとまりました。特に原発について書かれているところを読むと、今回の福島の原発事故は天災ではなく人災だったと思えました。事故の起きるずっと前に警鐘を鳴らし続けた人たちがいたのに、その声は原発政策には反映されませんでした。そして、たぶん多くの日本人は原発の脅威と日常の便利さを秤にかけた時、便利さを選んでしまったのだと感じました。

池澤さんの暮らしたフォンテーヌブローでは、日本では信じられないような不便と遭遇することもあります。しかし、それでも人々はそれを受け入れたり、独自の機知で切り抜けたりしながら暮らしています。
これまで日本では、とにかく便利なこと、快適なことが正義とされてきましたが、それだけで本当にいいのかを考え直すべきなのかもしれませんね。

この本を読んでいて驚いたのは、フランスでは政府の政策に反対して高校生がデモをすることもあるということでした。それを知った時、かって私の身近で助成の縮小に反対する署名に、"親"が狂奔している姿が思い浮かびました。自分たちのことであるはずなのに、当の生徒は知らぬ顔。
このあたりの感覚の違いが、その国の政治レベルに反映しているように思えてなりませんでした。

最終更新日 : -0001-11-30

Comment







管理者にだけ表示を許可