
先の戦いでフロンタルに捕獲されたバナージとユニコーンガンダムは、ネオ・ジオンの拠点である資源衛星パラオへと連れてこられました。そこでバナージは、宇宙移民の悲惨な生活を垣間見ることになるのでした。
その頃、ネェル・アーガマは補給を受けていました。その時に補給船と共にオードリーやミコット、タクヤ、そして有力な政治家を父に持つパイロットのリディは密かに月へと移送されようとしていました。しかし、このままでは機密を知っているオードリー、ミコット、タクヤは闇から闇へと葬られる危険があります。そこでリディは、彼らを連れて再度ネェル・アーガマへと帰還したのでした。
ネェル・アーガマへとリディが戻ったのは、地球にいる彼の父にオードリーの保護を依頼するためでした。その頃、ネェル・アーガマは一艦だけでパラオを侵攻せよという無茶な命令を実行中でした。リディはその作戦中に、オードリーを地球へ逃がそうと計画していたのでした。
かくしてアーガマの侵攻作戦が開始されました。作戦通りに、パラオの各衛星を激突させて、内部に潜むジオン艦隊を行動不能にしたかに見えました。しかしフロンタルは、連邦軍の侵攻作戦が行われることを予見しており、パラオ内の艦隊の大半は、外部へと潜伏させていたのでした。
戦いが始まった中、バナージは内通者の情報を通じてユニコーンへとたどり着きました。ユニコーンでパラオを脱出したバナージは、アンジェロに襲われているリディのデルタプラスを発見しました。そこにオードリーも同乗していて、地球を目指していることを知ったバナージは、オードリーをリディに託してアンジェロを引きつけるのでした。
そのおかげで、リディとオードリーは順調に地球を目指します。しかしバナージの前には、再びクシャトリヤに乗ったマリーダが襲いかかってきたのでした。強化人間のマリーダは、ユニコーンのコアだけでも回収しろという非情な命令を受けていました。その言葉に従って戦うマリーダにバナージが怒りを覚えた時、再びユニコーンのNT-Dが稼働しました。
対ニュータイプ用に開発されたユニコーンは、マリーダとの戦いでは驚異的な力を発揮しました。なんとマリーダが操っているファンネルの制御を奪い取ってしまったのです。そうしてマリーダにとどめを刺そうとするユニコーンでしたが、その時バナージとマリーダの意識はつながっていました。そしてバナージは、先の戦いで1人だけ生き残り、体を売って生きてきたマリーダの悲惨な過去を知るのでした。
バナージは、すんでの所でユニコーンを停止させて、マリーダの命は救われました。しかしクシャトリヤは行動不能に陥っており、ユニコーン共々クシャトリヤはネェル・アーガマに回収されたのでした。
第4巻に入ったこともあり、内容的にも深みを増しているのがよかったです。アニメのガンダムでは知らなかった宇宙移民の生活、ラプラスの箱を手に入れるために手段を選ばないフロンタルの非情さ、そしてマリーダの心の傷の描写と、作品に文学的な深みが加わっているのが凄いです。
最終更新日 : 2022-10-30