
主人公のウィリアムが住む国・マラウイは、いまだに魔術が生活の中で大きな意味を持ち、農業を中心に暮らしている貧しい国です。そんなマラウイに生きるウィリアムを、大規模な飢饉が襲います。それが原因で、ウィリアムは学費が払えず学校に行けなくなったばかりか、1日に1食を食べることさえやっとの生活を強いられることになります。
そんな中でも、ウィリアムの勉強したいという気持ちは衰えませんでした。近所の図書館に通って、少しでも勉強の遅れを取り戻そうと、多くの本を読みふけります。そんな時、ウィリアムは風力発電を紹介している1冊の本と出会いました。それがあれば、マラウイでも電気を作ることができ、畑に水を引くことさえできるとウィリアムは確信しました。
お金のないウィリアムは、廃品をあさって風車作りに必要な部品を集めることから始めました。そんな彼の行動を、何も知らない人たちはあざ笑いました。しかし、彼の風車が完成して電気を灯した時、初めてみんなはウィリアムが何をしようとしていたのか悟ったのでした。
やがて彼の作った風車は、国で教育を支援している人たちに知られます。それをきっかけに、ウィリアムの活動が世界中に知られるようになっていったのです。そして、さまざまな支援を受けてウィリアムは学校に通うことさえできるようになったのです。
この本からは、本当に多くのことを教わりました。アフリカの貧しい国では、今でも飢饉で多くの人たちが亡くなっていること。ウィリアムの目を通して、飢饉の様子が描かれることで、その苦しさや悲しさが自分のことのように伝わってきました。
そんな中でも、いえそんな中だからこそ、ウィリアムはより勉強したいと望みます。そうして彼は得た知識を使って、家族や周囲の人たちを少しでも貧困から救い出そうとします。
そして、この本を読んで勇気づけられました。学びたいという意欲があれば、人はどんな状況でも学び続けることができる。そうして得た知識を役立てることもできる、と。
世界中には、いろいろと苦境にあって苦労している方たちが大勢いると思います。しかし、そんな人たちにこのウィリアムの物語は、勇気を与えてくれると思います。(^^)
最終更新日 : 2022-10-30