
京都の英都大学の推理小説研究会に所属する有栖川有栖は、先輩たちと一緒に矢吹山へとキャンプに出かけました。その途中で、雄林大学や神南学院短期大学の学生たちとも合流して、学生たちは楽しいキャンプ生活を過ごします。
そんな時、メンバーの1人山崎小百合がなぜか突然1人先に下山してしまいました。有栖たちがそれを知った時、突如として矢吹山が噴火。学生たちはキャンプ場へと取り残されてしまったのでした。
下界への通路がたたれて、キャンプ場に取り残された有栖たちですが、その夜からメンバーが1人また1人と殺されていく殺人事件が発生しました。状況から考えて、犯人はここにいるメンバーの誰か以外に考えられません。噴火の危機も迫る中、有栖たちは殺人犯人を探し出すことができるのでしょうか!?
種明かしの前には、読者への挑戦状が用意されたクイーンばりの推理小説でした。その種明かしは論理的なのかもしれませんが、なんだかパズルみたいで今ひとつ面白さを感じませんでした。また、トリックには力が入っているものの、殺人の動機面がちょっと弱いような気がしました。
とはいえ、極限状況に置かれた中で殺人事件が起こるという設定、今となってはちょっと古くさい学生たちのやりとりなどは楽しく読むことができました。
最終更新日 : 2016-04-22