
経済状況が厳しい時期ですので、てっきり倹約を勧める本なのかと思ったら、そうではありませんでした。
お金があってもなくても、幸福に生きられれる道としての貧乏の勧めとでもいう感じの本でした。作者は、最初に今のこの時代にはみんな物を持ちすぎていることを指摘します。そして、それは"苦"を一時的に忘れるための、"刺激"でしかないと説明します。
そして著者の生活が紹介されますが、本当に必要最低限の物しか持っていません。座禅教室を経営されたりして、著者にはそれなりの収入があるのですが、あえて必要のないものは買わないのだそうです。
お金があってもなくても、著者の生き方は変わらない。そんな揺るぎなさがうらやましいと思いました。
ひるがえって、我が家を眺めてみると、ついつい買い集めてしまった本、DVD、CDなどが溢れています。物が多すぎることは、掃除もたいへんですし、いろいろと苦労も多いものだなあと思います。この本の著者ほど悟りをひらいた生活はできそうにありませんが、もう少し自分の身の周りをシンプルにしたいと思いました。
この本の中で特に共感できたのは、必要なものにはちゃんとお金をかけようということでした。衣食住など、生活の基盤となるものにはお金をかける代わりに、刺激を与えてくれるものへの出費はなくせば、人が生きてゆく上で意外とお金はかからないものなのかもしれないと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30