
舞台は戦国時代。各地に豪族が割拠して、まだ誰が天下を取るともいえない時代。中信濃の遠藤家に、ふらりと1人の男が現れました。その男の名は、石堂一徹。近隣の豪族の中では、剛勇の士として名が知れ渡っています。一徹は、そのまま無禄で遠藤吉弘に仕えることになりました。ところがこの一徹、その胸の奥には天下を取るという大きな野望を秘めていたのでした。
一徹は、その剛勇以上に知略に長けていました。その軍略で、一徹がやって来た当初はわずか三千八百石だった遠藤家は、あっという間に二万四千石の大名になってしまったのでした。しかし、そんな遠藤家にも危機が訪れます。信州を傘下におさめようと狙う武田軍が迫っているのです。
この石堂一徹が実在したのかどうかわかりませんが、当時の侍たちとは違う価値観を持ちながら、自らには人望がないため、軍師として身を立てようとする一徹というキャラが魅力的でした。そして、そんな一徹に心惹かれる、遠藤吉弘の娘・若菜。その若菜と一徹の交流も魅力的でした。
大きな歴史の流れはわかっているのですが、その中で一徹がどう活躍するか、それが予想外に楽しめました。
歴史物ではありますが、肩の凝らない読みやすい1冊だと思います。(^^)
最終更新日 : 2022-10-30
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