
前作は1本のお話でしたが、今回は前作を補完する短編集でした。この作品単独では、今ひとつ何が何だかわからないかもしれませんが、前作を読んでいるとその面白さが倍増します!
第1景色は、京都産業大学玄武組の二人静を主人公としたお話でした。二人静というは、定子と彰子という2人組につけられた名前です。そんな2人が、とある事情で前作では語られなかった影のホルモーを行うことになったのでした。
第2景は、凡ちゃんこと楠木ふみのバイト先での物語です。そこで凡ちゃんは、年下の高校生の少年と仲良くなるのでした。ふとしたことで、凡ちゃんはその少年とデートすることになるのですが、その様子がまるでヘップバーンの「ローマの休日」みたいで楽しかったです。
第3景は、「鴨川ホルモー」の主人公・安倍の物語かと思わせて、ちょっとひねりをきかせた内容だったのが面白かったです。長いホルモーの歴史が垣間見える、ちょっといいお話でした。
第4景は、芦屋の元彼女・山吹巴が、自分でも知らないうちにホルモーと関わってしまうお話でした。
前作を読んだ時、なぜホルモーには4つの集団しかないのか疑問に思いましたが、このお話でその謎が解けました。
第5景は、ホルモー経験者が大学を卒業して、OB・OGとなってからの物語でした。合コンで顔を合わせることになった康と直子は、ホルモーに関するもう1つの真実を知ることになるのでした。
最後となる第6景は、立命館大学白虎隊の細川玲実を主人公にした物語でした。とある老舗旅館で仲居のアルバイトをすることになった玲実は、時を越えた文のやり取りをすることになるのでした。
最終更新日 : 2022-10-30
著者:万城目学 ホルモー六景(2007/11)万城目 学商品詳細を見る 京都の4つの大学、4つのサークルによって争われる「ホルモー」。『鴨川ホ... …
2010/01/31 21:08 新・たこの感想文