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2009-10-01 (Thu) 23:34

フリーター、家を買う。/有川 浩

フリーター、家を買う。有川浩さんの新作、「フリーター、家を買う。」を読み終えました。

読む前から、とにかく最初が暗く重い話だと知っていたので、少し緊張しながら読みました。主人公の武 誠治は、そこそこの大学を卒業してようやく就職したのに、その会社を3ヶ月で辞めてしまいました。それ以来、誠治はフリーターとしてだらだらと暮らしてきました。そんな時、母親の様子に異変が!
なんと20年来に渡るご近所のいじめが原因で、母親が重度の鬱病になってしまったのです。これまでずっと母とご近所の関係に気づかなかった誠治は、姉に叱られてようやく現実を認識しました。

これまでの自分の生活を恥じた誠治は、心機一転して就職活動に力を入れて、母親のことを気遣うにようになったのでした。しかし、エリート社員の父親は、母の看護にも非協力的です。そんな中、誠治は懸命に努力して、壊れてしまった家族を再生しようと奮闘するのでした。
そんな彼の努力が認められて、バイトしていた土建屋の事務職として採用されることが決まったのでした。

前作の「植物図鑑」はベタベタの恋愛ストーリーでしたが、この作品には恋愛成分は少なめでしたが、いろいろと考えさせられることがありました。私自身、現在うつ病の療養中ですので、同じような境遇の人物が登場する作品を読めるのか!?という危機感がありましたが、逆に「心が折れるまでがんばった人間を、心が弱いと言えるのか」といったセリフに救われる気持ちがしました。

そして、就職した誠治は、それこそ何でも屋的に仕事でがんばります。このあたりの誠治のがんばりは、仕事をしていて自分でも感じたやりがいを思い出して懐かしい気持ちになりました。何でも屋的な仕事はたいへんですが、それだけに自分の仕事の成果がダイレクトに反映されるのが楽しいんですよね。

こうしてがんばった誠治は、とうとうまとまったお金を貯めて、母親のストレスの原因である家を引っ越すことができたのでした。その家には、会社の近くで拾って助けた子猫が一緒に暮らしています。その世話をすることが、母親の精神状態によい影響を与えているようです。
この展開も、同じく私がうつ病でどん底だった時に子猫を拾って育て始めた経験と重なりました。子猫が側にいてくれたことで、どんなに心が安らいだことか・・・。

ということで、主人公の誠治を通しては、自分自身の甘さやずるさを指摘される思いで共感することができました。また、うつ病の母親を抱えての家族の様子は、私自身が発病した時の家族の姿と重なるものがあって、涙なしには読めませんでした。この作品を読んだおかげで、今私がこうして生きているのは、温かい家族のサポートがあったからだと感謝の気持ちでいっぱいです。

最終更新日 : 2022-10-30

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