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2009-09-17 (Thu) 08:34

神の手/栗本 薫

神の手―グイン・サーガ(35) (ハヤカワ文庫JA)グイン・サーガ第35巻、「神の手」を読み終えました。

今回は、再び舞台はモンゴールへと戻りました。
クム軍の侵攻を受けて、オーダインへと繰り出したイシュトヴァーン。しかし、クム軍は守りを固めて、いっこうに戦う様子を見せません。それにじれるイシュトヴァーンでしたが、それ以上に彼をイライラさせていたのは、様変わりした彼の部下たちでした。

これまでイシュトヴァーンの側にいたのは、盗賊や荒くれ者、ならず者たちでした。しかし、正規軍の中に将軍として祭り上げられて、イシュトヴァーンはこれまでのような部下との気安いやり取りができなくなってしまったのです。
不満が募ったイシュトヴァーンは、このまま軍を捨てることすら考えましたが、その時クムの軍勢が奇襲を仕掛けてきたのでした。

モンゴールの都トーラスでは、相変わらずアリがいろいろと陰謀を巡らしています。彼はこれまでのモンゴール軍の将軍たちとは違い、密かに密偵を放って各地の様子を探らせていたようです。
そんな中、アリはパロでリンダとナリスの婚礼が行われることを知り、今回の戦にパロ軍が出陣しないことを知りました。さらに、一方では人質としたタルー王子にも言葉巧みに取り入ります。

そんなアリの願いは、あくまでイシュトヴァーンを王にすることです。そのためには手段を選ばない非情さをアリは持っているようです。そんな時、クム軍と戦っていたイシュトヴァーン軍が、クム軍を打ち破ったという知らせがトーラスにもたらされたのでした。

そんな金蠍宮で、ちょっとした事件が起こりました。アムネリスの忠実な侍女であるフロリーが、宮廷から去りたいと言い出したのです。アムネリスは全く気がついていませんが、フロリーもまたイシュトヴァーンへの想いに苦しんでいたのです。アムネリスに説得されて、フロリーは宮廷に留まることになりましたが、この先のフロリーの運命を思うと心苦しくなりますね。

そしてトーラスの都にイシュトヴァーンの凱旋軍が到着する頃、煙とパイプ亭は意外な客を迎えていました。それはカダインへ向かったはずのカロンでした。カロンは、アリの企みで盗賊たちが皆殺しにされる現場を目撃して、その中のたった1人の生き残りを連れ帰ったのです。
このカロンの行動が、今後のイシュトヴァーンやアリの運命に大きく影響することになるのでしょうか!?

そして、アムネリスが待ちに待ったイシュトヴァーンが、ついに金蠍宮へと戻ってきました。相変わらずフロリーの気持ちには気づかぬまま、アムネリスは激しくイシュトヴァーンを求めるのでした。
その夜、アムネリスの元から抜け出したイシュトヴァーンは、嵐の中でフロリーと出会いました。そしてイシュトヴァーンに抱きしめられたフロリーは、ついに自分がイシュトヴァーンを慕っていることを打ち明けてしまうのでした。

そんなフロリーの言葉を聞いて、イシュトヴァーンは心が晴れてゆくものを感じました。そして宮廷での窮屈な生活から逃げ出し、フロリーと共に逃亡することを決めたのでした。しかし、そんな折、沿海州からの使者がトーラスへとやって来ました。
それはなんと、イシュトヴァーンと深い関わりのあるヴァラキアの提督カメロンだったのでした。その夜にフロリーと逃げ出すことを約束したイシュトヴァーンでしたが、ここへ来て急激にその運命に翻弄され始めた感じですね。

最終更新日 : 2022-10-30

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