
今回はイシュトヴァーンのモンゴール再興から離れて、パロのクリスタルの都での茶番劇が描かれました。リンダには、カラヴィア公の子息アドリアンと、聖騎士伯であるアウレリアスという2人の熱烈な崇拝者がいました。この2人とリンダのやり取りは、美辞麗句を重ねた芝居がかったもので、読んでいてちょっと辟易してしまいました。
そんな時、仮面舞踏会に出かけたリンダは、そこでナリスと出会い、愛するイシュトヴァーンがモンゴールの公女アムネリスと結ばれようとしていることを知るのでした。それに激しいショックを受けるリンダでしたが、さらに驚くべき出来事が彼女を待っていました。
かねてより、ナリスがフェリシアといい仲であることは宮廷中に広まっていましたが、それがリンダを悩ませているのではないかと思い込んだアウレリアスが、ナリスに決闘を申し込んだのでした。
そんなアウレリアスに、ナリスは自らとフェリシアを侮辱したとして、逆に決闘を申し込むことになるのでした。
リンダはそれを必死に止めようとしますが、ナリスはそれを聞き届けてはくれません。その裏には、ナリスの複雑な、リンダとイシュトヴァーンに対する心理があったのでした。ナリスはリンダを愛していましたが、それと同じくらいイシュトヴァーンのことも愛してしまっていたのでした。
レムスに謁見して、決闘の許可を得たナリスとアウレリアスは、こうして戦うことが決定したのでした。
2人の武人の戦いは、激しいものとなりました。その途中でリンダは、このところ失われたいた予知の力で幻を見て倒れてしまったのでした。
しかし、リンダの動向とは関係なく、戦いは続きます。ナリスはアウレリアスに傷を負わせましたが、それが原因でレイピアが折れてしまいました。傷つけられても向かってくるアウレリアスに、ナリスは剣を投げ捨てて見せました。そうして、ナリスは重傷を負って倒れてしまったのでした。
気絶から覚めたリンダには、このところ失われていた予知の力が戻っていました。彼女はその夢の中で、自分とナリスが結ばれる場面を目撃したのでした。それを知っていたかのように、リンダがイシュトヴァーンからもらった髪の毛を入れてあるペンダントの鎖が切れてしまったのでした。
ナリスの様子が気がかりなリンダでしたが、ナリスは重体で面会謝絶。そしてリンダには、国王であるレムスから謁見の申し込みが来ていました。レムスからの呼び出しは、クムとモンゴールの争いに関係していました。
クムから援軍を求めるのと同時に、タルー王子の妻としてリンダを迎えたいという申し出があったのです。しかし、すでにナリスとの運命の神託を得たリンダは、これを断り、パロもクムとモンゴールの戦いに参戦しない意向を固めたのでした。
そして、リンダは負傷したナリスの元へと赴きました。イシュトヴァーンへの想いを断ち切り、ナリスを夫とすることを誓ったのでした。そしてナリスもまた、ようやく心を開いてリンダを妻とすることを決めたのでした。
ずっとどんよりした展開が続いていたパロのリンダを巡る状況でしたが、これで少しは明るい展望が開けるのでしょうか!?
最終更新日 : 2022-10-30