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2009-08-18 (Tue) 00:20

ヤーンの日/栗本 薫

ヤーンの日―グイン・サーガ(31) (ハヤカワ文庫JA)グイン・サーガ第31巻、「ヤーンの日」を読み終えました。

クムのタリオ大公に捕らわれていたアムネリスとフロリーを救い出したイシュトヴァーンは、いよいよモンゴール再興をかけて動き始めました。その手始めとして、ルシニアの廃砦に兵を集めて、挙兵の時期を窺うのでした。

最初はイシュトヴァーンに対して反発していたアムネリスでしたが、砦で行われた宴をきっかけにじょじょにイシュトヴァーンに心惹かれてゆくようになりました。そして、アムネリスの侍女フロリーも、イシュトヴァーンに惹かれている様子です。この恋の行方は、どうなってゆくのでしょうか!?

砦に本拠を構えたイシュトヴァーンは、かってのモンゴール臣下の生き残りに、決起を促します。しかし、生き残った貴族たちの動きは、イシュトヴァーンが考えたほどの芳しくありませんでした。
そんな時、突如ルシニア砦が3万もの兵に取り囲まれました。クム軍に取り囲まれたのかと思いきや、それは何とマルスが率いた援軍だったのでした。

しかし、イシュトヴァーンはマルス伯爵の名を聞いて驚愕しました。かってノスフェラスで、イシュトヴァーンの裏切りによって策略にはまり、焼き殺されたのがマルス伯爵だったからです。
もちろん、その時に死んだマルス伯が生き返るはずもなく、今イシュトヴァーンの前に現れたのは、その息子だったわけですが・・・。

マルスの援軍を得て、イシュトヴァーンたちはいよいよ本格的な挙兵に向けて動き始めます。
しかし、3万の兵を加えたとはいえ、それはまだトーラスを奪還するには心許ない数でした。軍議がとり行われる中、並外れた見識を披露したのはイシュトヴァーンの軍師・アリでした。
アリは、このままトーラスを落としても、モンゴールが再興することは難しいと言うのです。かってモンゴールが滅びる原因となったのは、パロだけではなく周辺諸国連合を敵に回してしまったことにありました。

今回の挙兵に当たっては、自分たちが逆に周辺諸国を利用して、クムを悪者に仕立て上げることが必要だというのです。
さらに、アリはイシュトヴァーンが実はヴァラキアの貴族出身であると言い出しました。それに驚いたイシュトヴァーンでしたが、何とか話を合わせただけでなく、ホラを交えてヴァラキアのカメロン提督が義父だとさえ言ってしまったのでした。

その夜、アリは密かにマルスの元を訪れました。今は盗賊と行動を共にしているイシュトヴァーンですが、モンゴール復活がなった暁には、それがイシュトヴァーンの足を引っ張ることになると見込んでのことです。この時何が2人の間で語られたのかはわかりませんが、翌日の挙兵の時、イシュトヴァーンはモンゴールの白騎士の出で立ちに身を包むこととなったのでした。

そして、ついに多くの者の宿願であった、モンゴール再興の兵が挙兵されました。彼らは道々義勇兵を集めながら、トーラスへと向かいます。しかし、トーラスは城門を固く閉ざして、彼らを迎え撃とうとはしません。トーラスを守備する兵士の多くが、モンゴール出身者であり、下手に討って出て寝返られることを心配しているようです。

そんな反乱軍の最大の脅威は、背後から北上してくるクムのタルー王子率いる軍勢です。この軍勢を見事撃退することができれば、モンゴールの復活に向けて一歩進むことができます。各地に散らばる義勇軍もトーラスを目指して進軍してくる中、イシュトヴァーンたちはこの戦いに勝つことができるのでしょうか!?

最終更新日 : 2022-10-30

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