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2009-08-03 (Mon) 18:56

闇の司祭/栗本 薫

闇の司祭―グイン・サーガ(29) (ハヤカワ文庫JA)グイン・サーガ第29巻、「闇の司祭」を読み終えました。

冒頭は、イシュトヴァーンのアムネリス救出の様子が描かれました。アムネリア宮に幽閉されているアムネリスとフロリーをどうやって助け出すのかと思ったら、なんとイシュトヴァーンは船を使わず、泳いでアムネリア宮までやって来たのでした。そして、再び泳いでアムネリスを連れ出そうというのです。

アリの入れ知恵で、アムネリスは脱出する前に遺書を残し、湖に身を投げたように偽装します。そこにアムネリスは独自の判断で、タリオ大公と息子の第一王子タルーを対立させるために、自分が身を投げたのはタルーが自分を強姦したからだと書き残したのでした。
こうして、ついにアムネリスは囚われの身の境遇から抜け出したのでした。

その頃、ユラニアのグインは、老帝サウルと共にアルセイスの紅玉宮へとやって来ていました。
そこでついにグインは、ユラニアの大公オル・カンと対面することになったのでした。しかし、それよりも印象的だったのは、中原でも名高いユラニアの三醜女でした。強欲で糸杉のようなエイミア、残酷で牛のようなネリイ、これ以上ないほど肥満したルビニア。彼女たちは、本当に噂に違わぬ醜女ぶりをグインたちに披露したのでした。(^^;

そして、紅玉宮での深夜。ついにグインは闇の司祭グラチウスを探して動き始めました。そんなグインの前に現れたのは、グラチウスの放った偽のグインでした。グインはその偽のグインと共に、紅玉宮で行われている陰謀の数々を見せられたのでした。

今回のユラニアのケイロニアへの侵攻は、オル・カン大公と宰相のタリムがグラチウスに操られて引き起こしたことでした。オー・ラン将軍は、2人の失態を知りつつ、あえてそれを黙認していたのでした。オー・ラン将軍は、オル・カン大公の娘・ネリイと手を結んでいました。この失態を利用して、ユラニアから大公夫妻や長女、末娘を抹殺して、オー・ランとネリイでユラニアを牛耳ろうとしていたのでした。

しかし、オー・ランはネリイと手を組む一方で、自らの古里であるクムとも通じているようです。
そしてクムはクムで、大使チューは密かにサウル皇帝と密談して、ゴーラ皇帝の末裔をクムで保護することにより、クムがユラニアに対して優位に立ち、いずれはユラニアをクムが併合しようと目論んでいたのでした。

そんなユラニアの内幕を見せられたグインでしたが、彼の心は全く揺らぎませんでした。グラチウスに見せられた程度のことが進行していることは、グインは予想していたのかもしれません。
そんなグインを、グラチウスは今度はノスフェラスへと送り込みました。そこでグインは、懐かしき友人ドードーと再会して、セム族の族長ロトーの命が尽きようとしていることを知るのでした。

そうしてグインを動揺させて、彼を自分の僕としようとしたグラチウスでしたが、それでもグインは全く屈しませんでした。そして、あくまでも自分を引き込もうとするグラチウスの様子を嘲笑ってさえみせたのでした。

最終更新日 : 2022-10-30

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