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2009-07-19 (Sun) 23:17

白虹/栗本 薫

白虹―グイン・サーガ(26) (ハヤカワ文庫JA)グイン・サーガ第26巻、「白虹」を読み終えました。

ユラニアとケイロニアの戦いは、大きな動きのないまま冬を迎えて膠着状態に陥っていました。グインはアンナの村から離れたセガの森に、砦を築き来たるべき戦いに備えるのでした。

アルゴスの黒太子スカールとの戦いで重傷を負い、イシュトヴァーンは1ヶ月ほど赤い盗賊の集団から遠ざかることを余儀なくされていました。その間に街道には、イシュトヴァーンの名をかたる偽物まで登場していたのでした。
そんな中、傷の癒えたイシュトヴァーンは、軍師アリと共にミルヴァの砦を目指していました。しかし、彼らは砦の仲間たちが素直に彼らを迎え入れるとは思っていませんでした。イシュトヴァーンの目の届かぬうちに、密かに裏切りや乗っ取りを企む者が現れているのではないかと疑っていました。

ところが、砦に到着してみると、イシュトヴァーンは盗賊たちに大喝采で迎えられたのでした。
砦には、いつの間にかイシュトヴァーンの名をしたって女たちまで集まり、これまでになかった華やいだ雰囲気に溢れていました。部下の心が自分から離れてないことを知ったイシュトヴァーンは、帰還の祝いに大宴会を執り行うのでした。

そして翌朝、ついにイシュトヴァーンはこれまでの盗賊稼業から足を洗い、アムネリス公女を祭り上げてモンゴールの再興を目指し、国盗りをすると宣言したのでした。彼の部下たちも、このままイシュトヴァーンに従うことを約束して、ついにイシュトヴァーンは自らの野望を実現させるために動き始めたのでした。

その頃、雪に閉ざされたセガの森の砦では、グインたちが引くことも進むこともできぬ、進退窮まった状況に追い込まれていました。何度かグインは、サイロンに使者を立てたようですが、それに対する返事は全くやってきません。
そんな時、グインの元にダルシウス将軍の病が悪化しているという報告がもたらされました。将軍の元に駆けつけたグインは、ついに将軍から全軍を預かることとなりました。
そしてグインは、ユラニアの真意を知るためにアルセイス目指して攻め上ることを決意するのでした。

サルデスやミルヴァでは、まだ春は遠いですが、温暖なパロでは既に温かな日々が続いているようです。そんな中、スカールがパロを去って以来、ナリスの行動に変化が現れていました。病を理由に出仕せず、数多くの女性との関係が噂になっているのです。
ナリスを心配したルナン侯やリギアが真意を尋ねにきますが、例によってナリスは何を考えているのか明らかにしません。そして、未来の許嫁とも噂されるリンダとも、ナリスは距離を置いています。

その頃、黒太子スカールの一行は、ようやくアルゴスへと到着していました。しかし、彼らを迎えたのは凶兆である白い虹でした。そんなスカールを迎えた王宮は、以前とは様変わりしていました。
パロから嫁いだエマ女王の意向を受けて、宮廷内がパロ風に改められていたのです。そして、女王には念願であった王子も誕生していたのでした。

ようやく草原にたどり着いたスカールでしたが、リー・ファなき草原は、もはやスカールにとって安息の地ではありませんでした。王宮を離れ、グル族の元へと赴きリー・ファの魂を弔ったスカールは、再び今度は帰ることのないかもしれぬ旅に出ることを決意したのでした。

一方、ケイロニア軍から離脱したグインが率いる1万の兵士たちは、ユラニア国内をひたすらアルセイスへと向けて駆け上っていました。途中、ガザの街がグインたちを阻む砦となるかと思われましたが、事前に間者を放ってあったグインの策略によって、グインたちの一団は一兵も損なうことなく、ガザを通過することに成功したのでした。

それを屈辱として、ガザの守備についていたオールバイン伯はグインを追撃します。しかし、それすらも鍛え抜かれたグインたちの一団は、自由自在に翻弄するのでした。
どうやらグインの目的は、アルセイスへ攻め上ることらしいです。そこに全ての元凶があるとグインは読んでいるようですが、果たしてそこには何が待っているのでしょうか!?

最終更新日 : 2022-10-30

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