
前巻では、物語がいきなりノスフェラスへと飛びましたが、この巻では再びケイロニアへとお話が戻りました。
黒曜宮へと招かれたグインは、そこで皇帝暗殺を目論む者たちの存在を知ります。グインと共にそれを知ったランゴバルド侯ハゾスでしたが、あっさりと刺客の手のかかってしまいました。命を落とす間際、グインを側に呼び寄せたハゾスは、重大な秘密をグインに託しました。それが原因で、グインはより危険へと近づくことになるのでした。
そんなグインを、ケイロニアの皇后マライアは自らの内へと引き込もうとします。しかし、それをグインはきっぱりと断るのでした。グインが自分に力を貸さないならと、グインの目の前で毒酒を用意するマライアが恐ろしいです。
その頃、吟遊詩人のマリウスは、サイロンから抜け出してサルデスを目指そうとしていました。そんな彼を怪しげな一団が捕らえてしまいました。それは皇帝アキレウスの弟・ダリウスの手の者でした。
マリウスを捕らえたダリウスは、マリウスにシルヴィアを誘惑するか、さもなくば彼女を殺せと迫ります。しかし、マリウスがあくまでそれを拒否したため、マリウスは激しい拷問にかけられることになってしまったのでした。
そんなマリウスが気にかかるのは、謎の剣士イリス=オクタヴィアでした。ダリウスは、イリスをあくまで男として、あわよくばケイロニアの皇位を継承させようとしているようです。そんな運命にあまんじながらも、イリスは次第にマリウスに惹かれているようです。
その頃、グインは今度は皇帝アキレウスから呼び出しを受けていました。アキレウスは、グインを近衛騎士団に迎え入れたいと言い出しました。しかし、その本心は宮中で囁かれているグインが知った秘密を知りたいということだったようです。
厚遇を持ってグインを取り立てたアキレウスに対しても、グインは頑としてその秘密をもらしませんでした。一体グインが知った秘密とはどのようなものなのでしょうか!?
そして、グインの入れ知恵でその日から皇帝アキレウスは病に伏せりました。そんな時、密かにイリスがグインの元を訪れていました。地下牢に捕らえられ拷問されているマリウスを救い出して欲しいと言うのです。イリス=オクタヴィアがマリウスに恋していることを知ったグインは、それを簡単に承諾します。そして、厳重な警備の中、ダリウスの小月宮へと侵入したグインは、なんとか牢獄からマリウスを救い出したのでした。
グインに救われたマリウスは、ワルスタット侯ディモスの屋敷へと匿われることになりました。そんなマリウスに、グインはケイロニアから離れろと助言しますが、マリウスはそれを聞き入れようとしません。
そんな中、グインの後をつけたイリスが、マリウスの前へと現れました。そしてマリウスは、いまだにイリスが女だと知らぬまま、イリスに惹かれてゆくのでした。
そして、グインの前にはダリウス大公自らが兵を率いて現れました。ダリウスもまた、グインを味方に引き込み、グインが手に入れた秘密を知ろうとしますが、やはりグインは口を割りません。
いよいよ祝典の開催が近づく中、渦巻く複数の陰謀の中でグインがどうするのか楽しみです。
最終更新日 : 2022-10-30