
モンゴールの密書をナリスに届けたイシュトヴァーンは、ナリスに引き立てられて、ナリスの側つきの聖騎士としてナリスが心を許す存在へとなっていました。そんなナリスに、イシュトヴァーンも惹かれるものを感じつつ、ナリスが婚約者としてリンダの名前を出したことが、2人の間を分かつことになりました。
リンダを巡ってナリスと争ったのでは、イシュトヴァーンに勝ち目はない。そう判断したイシュトヴァーンは、夜中に密かにパロ軍の陣営から抜け出し、ケイロニア方面へ向かうことを決意したのでした。
義理の弟であるディーンが離れてゆき、そしてまた心を許したイシュトヴァーンが去ったことで、ナリスは精神的に打撃を受けたようです。しかし、それに気がついているのは、ナリスに常につきそうリギアだけだったのでした。
そして、イシュトヴァーンが去った後も、パロ軍はモンゴール軍を追跡します。そして、ついにナリスとアルゴスの黒太子スカールが顔を合わせることとなったのでした。
モンゴール軍は、ユノから撤退してザイムの町でパロ&アルゴス連合軍との戦いに備えていました。
しかし、いよいよ決戦という朝、モンゴール軍は突如ザイムの町から姿を消していたのでした。
その頃、沿海州軍はモンゴール軍の支配下にあるロスの港へとたどり着いていました。しかし、イフリキア、トラキア、そしてヴァラキアの公弟オリー・トレヴァンの裏切りをカメロンは警戒していたのでした。膠着状態が続く中、カメロンは自らロスの対岸ノスフェラスへとあがり、モンゴール軍の動向を探るのでした。そして、いよいよ沿海州軍が攻撃を開始しようとした時、異変が起こりました。ロスの町からモンゴール軍は撤退していたのです。
その全ての原因は、モンゴールの都トーラスにありました。自ら兵を率いて進軍しようとしていたヴラド大公が、突然の卒中発作で亡くなってしまったのです。国の要ともいうべき大公を失い、モンゴールは大混乱に陥りました。
すぐさまアムネリスにトーラスへの帰還をうながず早馬が飛びました。パロ&アルゴス連合軍の前から突如としてモンゴール軍が消えたのは、これが原因だったのでした。
しかし、トーラスへと急ぐアムネリスの前に同じゴーラの大公領であるクムの裏切りが待っていました。アムネリスの軍勢は、前をクム軍に阻まれ、後ろをパロ&アルゴス軍から追い立てられることになってしまいました。それでもアムネリスは強行突破をはかろうとしますが、力が及ばずついにクムのタルー王子の前に降伏することとなったのでした。
さらにイシュトヴァーンが密書を奪ったために、ライゴールのアンダヌスとモンゴールの密約も実行されていませんでした。その結果、沿海州軍の中にあった裏切りは消滅して、ケス河の河口からモンゴールの都トーラスを目指して軍を進めることになりました。
これまでパロを蹂躙、そしてノスフェラスでグインと激しい戦いを繰り広げたモンゴールは、ここにあっさりと最後を迎えることとなったのでした。
このところモンゴールが押され気味の展開でしたが、まさかこのように急転直下で事態が進展するとは思いませんでしたので、この展開には驚かされました。
最終更新日 : 2022-10-30