
今回のメインは、前巻の終わりでレムスにもたらされた、クリスタル公ナリスが義勇軍と共にクリスタルの都を奪還したあらましが描かれました。
そんな本編が始まる前に、黒太子スカールとベック公に率いられた部隊のウィレン山脈越えが描かれました。険しい山と襲いかかる雪嵐に軍勢は苦労しているようですが、彼らが無事にここを抜けられるのかも楽しみです。
そして、本編ではついにクリスタルの都での反乱が本格的に動き始めました。クリスタルの都を離れた各地で、反乱軍が旗揚げしました。それを鎮圧するため、モンゴール軍はクリスタルに駐屯していた兵を各地に派遣することになりました。
それに連動するかのように、学生街を中心に巻き起こった市民の暴動。それに力を添えたのは、モンゴールの黒騎士隊長カースロンの情婦となっていたルナン侯の娘リギアでした。彼女は、反乱の首謀者である学生たちに策を授けて、市民の攻撃に一定の成果を上げさせます。
しかし、いくら数でまさるとはいえ、武装してない市民では、完全武装のモンゴール軍に対抗することはできません。市民が兵たちの虐殺を受けるその時、突如としてパロの聖騎士団が現れたのでした。
それを率いるのは、もちろんクリスタル公ナリスです。先のアムネリスとの婚礼の最中、殺されたとばかり思っていたナリスの出現に、市民は驚喜して、モンゴール兵は浮き足立つのでした。
そんな中、モンゴールのパロ司令官タイランに虐げられてきたカースロンは、ついに祖国を裏切りタイランを討つことを決意したのでした。しかし、そんなカースロンの動向は、タイランに見抜かれていました。あと少しで逃げ出したタイランを討ち取れるというところまで追い詰めましたが、密かにタイランが呼び戻していたブルクの精鋭部隊によって、カースロンは命を落とすことになってしまいました。(;_;)
敵国モンゴールの隊長ではありましたが、この無骨で単純なカースロンには、どこか憎めないところがありました。その死を知って、リギアは涙を流しますが、その気持ちがわかるような気がしました。
カースロンは死んだものの、クリスタル・パレスへとなだれ込んだ聖騎士団と市民たちの活躍で、ついにナリスは、クリスタルを自らの手へと取り戻したのでした。しかし、状況はまだ予断を許しません。
モンゴールとの中継地点であるユノには、まだ数多くのモンゴール軍が控えているのです。タイランは、そんな部隊をまとめてクリスタル奪還を目指して兵を進めます。
それに対して、ナリスはクリスタルに籠城して、これを迎え撃つ構えです。アルゴスから向かっているレムスの軍、ウィレン山脈を越えようとしているスカールとベックの軍は、クリスタルを守るナリスの援軍となることができるのでしょうか!?
今回もグインは全く出番なし。このままだと、グイン・サーガではなく、ナリス・サーガになってしまわないかと心配になりますね。(^^;
最終更新日 : 2022-10-30