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2009-02-06 (Fri) 21:59

死霊狩り(1)/平井 和正

死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈1〉 (ハルキ文庫)久しぶりに、平井和正さんの「死霊狩り(1)」を読み終えました。

平井和正さんの作品といえば、学生時代に「幻魔大戦」に大はまりして、その後ウルフガイ・シリーズなども読んだりしましたが、作品として一番面白くて完成度が高いのは、この「死霊狩り」シリーズではないかと思います。

主人公のレーサー・田村俊夫はレース中に大事故にあったのを、奇跡的に生き延びました。レース界への復帰を目指す彼でしたが、彼を雇っていたチームはあっさりと彼を切り捨ててしまいました。そんな時、謎の秘密機関が彼に接触してきました。
その訓練に参加して生き延びれば、高額の報酬を手に入れることができることに釣られて、俊夫はゾンビー島へと赴きました。

そこで俊夫を待っていたのは、想像を遙かに超えた恐るべき殺戮地獄でした。その殺人的な訓練を何とか生き延びた俊夫でしたが、やがて彼はその組織が宇宙からやって来た謎の侵略者・宇宙人と対決するために組織されたものだと知るのでした。

しかし、そんな荒唐無稽な話を信じられない俊夫は、ゾンビー島から日本へと帰還しました。久しぶりに日本で愛する姉と恋人と再会した俊夫でしたが、ゾンビーたちの魔手は既に俊夫の側まで迫っていたのでした。

この作品、あらすじだけ抜き書きすると陳腐な内容に思えますが、作者の迫力のある文体で書かれると、その世界観や人物像がリアリティを持ってくるのが凄いです。作品の設定としてはSFなのですが、主人公のストイックさや非情さ、そして殺戮のプロとしてのしたたかさは、一級のハードボイルド小説にも負けない魅力があると思います。

最終更新日 : 2022-10-30

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