
この作品は、テレビで放映されたものは一度も見たことがなく、DVDショップでジャケットを見た時に惹かれるものがあって購入してしまった作品です。ジャケ買いしてしまった作品なのですが、これだけ大当たりだった作品は今のところ他にはないです。
40年前の記憶をなくしてしまったパラダイム・シティという街。その街でネゴシエーターの仕事をしているロジャー・スミス。昔のアメリカのドラマのような懐かしい雰囲気が漂う街を舞台に、物語はスタートします。
ネゴシエーターとして、誘拐された令嬢の救出を依頼されたロジャー。しかし、彼が救い出した令嬢・ドロシーは、人間ではなく精巧なアンドロイドだったのです。ドロシーは、ロジャーに自分を助けて欲しいと依頼します。それをきっかけに、2人は事件の深みへと乗り込んでゆくことになるのでした。
黒と白を基調にした画面作りが、とてもきれいなのに驚かされました。そんな世界に、気障だけれどどこかおかしさも感じるロジャーの雰囲気がうまく調和しています。そして登場するドロシー。人形のように無機質な表情と、首が動くときにウィーンというモーターの音がするのがアンドロイドらしくて、とてもよかったです。
そして、ロジャーの友人ダストン。忠実な執事のノーマン。全ての登場人物が一癖ある感じで、とても印象的でした。前半は普通に探偵ドラマのような雰囲気でお話が進みますが、後半に入っていきなり巨大ロボットが登場するというバカバカしさ!(^^;
このロボットのデザインが、一昔前の特撮作品のロボットのような古くささで、それがまたいいのです!
巨大ロボット同士の戦いでは、今川監督が作られた「ジャイアント・ロボ」を思い出させる重量感がありました。ビッグオーがドロシー・ワンを倒して、一件落着かと思いきや、すぐ側にいたドロシーとそれを助けようとしたダストンが、倒れたドロシー・ワンの下敷きになってしまいそうになります。
2人の運命やいかにというところで、次回へ続く引きもいい感じでした。
そして好きなのが、落ち着いた雰囲気のEDと電話が鳴って、受話器から聞こえる声がサブタイトルを告げるというシンプルな次回予告です。
本編からED、予告にいたるまで、この作品では全てにスタイルの美しさが貫かれているのがいいですね。(^^)
最終更新日 : 2022-10-30