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2007-12-22 (Sat) 23:41

ふたつのスピカ 13巻

ふたつのスピカ 13 (13) (MFコミックス フラッパーシリーズ)あまりにも突然な秋の死。今回はその真相と、アスミたちがそれを受け止めるお話でした。

センターでの訓練中に倒れた秋。それでも彼の父親は、彼の所に顔を出しませんでした。父親に秋に対する情はないのかと思いましたが、父は父なりに秋のことを考えてくれていたようです。これまで一貫して秋の父親は冷徹に描かれてきましたので、涙を流す描写があった時には心を動かされるものがありました。

そして、秋の死。妹にジュースを買いに行かせた間に、1人でひっそりと亡くなってしまうなんて悲しすぎます。(号泣)
何だか「エースをねらえ!」の宗方コーチの死を思い出してしまいました。

アスミたちは、秋の死をいまだに現実として受け入れられないようです。それでも、そんな思いとは関係なく、秋の葬儀が開かれました。その葬儀の終わりに、秋の妹さんがピアノで演奏したのは「猫ふんじゃった」でした。
秋の最後の言葉を妹が果たしたのですが、その選曲の理由がケイちゃんが昔言った言葉だったと知って泣けました。

ケイの告白を、秋は受け止めてくれなかったようですが、それは他に好きな人がいるとかじゃなくて、きっとその時の秋は宇宙のことしか考えられなかったんだと思います。この選曲には、宇宙の次に大好きなのはケイちゃんだという意味も込められていたんだと思いたいです。(/_;)

そして、秋の病気の真相が明かされました。これまでも時折血を吐いていましたが、なんとマリカと同じ遺伝性の病気だったのです。単行本を引っ張り出して確認してみると、確かに秋の母親の病気についての描写があります。物語の伏線の深さに驚かされました。

父親に呼び出されたマリカは、秋の病気の原因を聞かされます。そして、それをみんなに伝えて、それでもなお自分の夢を追ってみんなと宇宙を目指すと告げるのでした。
そんなマリカの秘密を、執拗に調べているライターがいます。国際法で禁止されているクローン人間を作ったことで、マリカの父親を告発しようとしています。マリカの父親の罪は許されることではありません。しかし、彼が記事を発表したら、普通の女の子として純粋に夢を目指しているマリカはどうなってしまうのでしょうか!?

今回のちょっといいエピソードは、宇宙飛行士訓練コースのみんなで秋の残したマラソンのチェックカードにスタンプを押してあげるお話でした。
自分たちが走るのだってたいへんなのに、それでもみんな秋のカードからスタンプを押してあげて・・・。みんなの秋に対する思いやりが伝わってくる、いいエピソードでした。

最終更新日 : 2022-10-30

* by 名無しさん
「秋の死。妹にジュースを買いに行かせた間に、1人でひっそりと亡くなってしまうなんて悲しすぎます。(号泣)」
感想はそれだけですか?
病院内で吐血して、妹が医者を呼びに行くのをやめさせてジュースを買いに行かせて、そのせいで死んでしまったら、不慮の死ではなく自殺じゃないんですか?
夢が叶わなくなったら自殺してもいいんですか?

* by 横溝ルパン
私は、秋の死は自殺だとは思いません。夢半ばの、悲しい死だったと思います。

それから自殺についてですが、これを私は否定しません。ある人が自殺した時、その人がどれだけ悩み苦しんでいたかは、他人に推し量ることはできません。ある人が死を選んだ時、私はその意思を尊重したいと思います。

* by 名無しさん
作者にもその意識は無いのだと思います。ただ、客観的には、あの状況では自殺したのと変わらないことになってしまうんです。
私としては、むしろ、あそこで安易に死なせずに、夢を叶えられなくなった秋がどう生きていくかを描いてほしかった思いました。

自殺の是非については、状況次第だとは思います。

* by 横溝ルパン
私としては、秋が自殺したとは思いたくないので、むしろ症状があれだけ激変する患者を1人で放置して、結果的に死なせてしまった病院の管理体制の甘さが気になります。(^^;

マリカも秋と同じ病気で、99.9%宇宙へは行けないでしょうが夢は捨てていません。これは、もし秋があの後も生き延びていたとしても同じだったのではないでしょうか。
秋を死なせる展開は、私も安易だったと思います。ただ、そのおかげで一緒に夢を追いかけてきた仲間が突然いなくなる喪失感、そしてそれでも前に進むアスミたちの姿が描かれたのはよかったと思います。

* by 名無しさん
そうですね。急速に進行しているという認識があるがあるなら、最低でも心拍数のモニターぐらいは着けとけよって言うのはありますね。

私は、秋を死なせなくても、十分に効果的な話にできるんじゃないかと思ったんです。
あと、大切な人を亡くした人がちょっと多いなーと。

* by 横溝ルパン
そうですね。元々ほのぼのとしたお話でしたし、その中での秋の死というは、物語として少し重すぎるような気もします。ファンとしては、秋が死ななかったらどんな展開になったのか、見てみたかった気もしますね。

それから、大切な人が死んでいるキャラは確かに多いですね。アスミのお母さんも亡くなっていますし、秋のお母さんも、そしてライオンさんに至っては本人が死んじゃってますからねえ。(^^;
「ふたつのスピカ」以後の柳沼さんの作品は、まだ読んだことがないのですが、次回作ではこのあたりを改善してくれるといいですね。

* by 名無しさん
浮遊霊なのにアスミの守護霊のようになっているライオンさんの設定は好きです。


私の「ふたつのスピカ」に対する大きな不満点は、
 1.秋の死に方
 2.トモロウが大人としての行動ができていないこと(妥協とかではなく、親としての責任や、個人的な感情と仕事上必要な態度の区別)
 3.ライオンさんがあのタイミングで消えること
の3つです。
(科学技術的な面でのツッコミどころは満載ですが、それはこの作品のメインではないので。。。)


トモロウの佐野に対する態度の不自然さは、「佐野とトモロウが大学で研究室だったこと」と「佐野が今日子を好きだったこと」が、後付けの追加設定のために最初の描写と整合しなくなったように感じます。

ライオンさんの幽霊としての寿命が尽きることは、アスミが宇宙に行ったので成仏したということなんでしょうけど、だとすると消えるタイミングが・・・


・・・実のところ私は、「ふたつのスピカ」そのものより、単行本に同時掲載されている恋愛漫画や作者の自叙伝的漫画を読んでいるうちに、作者が物事を自分の都合のいいようにねじ曲げて認識する人間のように思えてしまって、それで「ふたつのスピカ」も、あまり好きになれなくなってしまいました。
(まあ、有名な芸術家で人格に問題のある人なんてゴロゴロいるんですが)

現時点では、「ふたつのスピカ」を好きな作品というのに抵抗がありますが、今後、どうなるかわかりません。
横溝ルパンさんとのやりとりで、だいぶ、「ふたつのスピカ」に対する感じ方が変わりました。

感情的にならずに対応していただき、とても感謝しています。

* by 横溝ルパン
この作品でのライオンさんの存在は大きいですよね。私もライオンさんは好きです。(^^)

16巻の作者のあとがきマンガを読むと、秋の死とライオンさんとの別れは最初から予定されていたことみたいですね。どちらも作品内での大きな出来事なので、このあたりをどう描くかは作者もかなり悩まれたのではないかと思います。

秋の死に方については、作者も重すぎたという反省があったのではないでしょうか!? その後、ライオンさん二世というか、ウサギさんという形で今度は秋が浮遊霊になったかのような描写がありましたし・・・。
ライオンさんとの別れは、別れそのものより、アスミがライオンさんを好きだったと告白したところに私は違和感を感じました。

それから、トモロウについては、佐野先生との関わりなど後付けっぽい設定が目立ちましたよね。でも、凄いなあと思ったのは、事故の遺族にののしられながらも、事故後の補償の交渉を続けたことです。きっと酷い言葉をぶつけられることも多かったと思いますが、よく耐え抜いたなあと・・・私ならすぐに精神的に折れそうです。(^^;

作者の自伝的要素の入ったマンガは、私はどこまでが本当なんだろうと、ギャグを楽しみながら読んでいました。「ふたつのスピカ」本編よりは印象が薄いので、これを読んで本編の評価が変わることはなかったです。
作者が物事を自分の都合のいいようにねじ曲げるというのは、私はよくわかりません。ただ、人は人である限り主観的であることからは抜け出せないので、個々の主観と主観をどう折り合いをつけるかが大切なような気がします。

名無しさんにとって、「ふたつのスピカ」は好きな作品ではないかもしれませんが、どこか引っかかる、そのために人の意見を聞いたり、意見をぶつける価値のある作品、いろいろと考えさせてくれる作品なのかもしれませんね。私はこれも、作品に対する1つの愛情表現だと思います。(本当にどうでもいい作品なら、そのために時間をかけたりしないでしょうから)

今回、名無しさんがコメントをくださったおかげで、私もただ好きからもう少し突っ込んで、「ふたつのスピカ」という作品について考えることができました。ありがとうございました。(^^)

* by 名無しさん
秋の死とライオンさんとの別れが、基本プロットだったというのはなんとなくわかります。

ただ、秋の死については、私にはちょっと物足りないですね。
秋の周りの人間があまりコタえた感じがしてなくって・・・
母親を獅子号事故で亡くしているアスミと、常に死を意識してきたマリカと、圭とでもう少し差があってもいいんじゃないかと。

アスミがライオンさんを好きだったいうシーンは、小さい子が「大きくなったらおにいちゃんのお嫁さんになる」って言っているようなものだと思ったので、それほど違和感を感じませんでした。そのこと思い出しつつ、ライオンさんがいなくなった寂しさを感じているアスミの心境がうまく描かれていたと思いました。

トモロウの処遇は、あれは肩たたきというかイヤガラセですよね。よく耐えたと思います。
ただ、退職金も遺族補償金受け取らなかったことにしたのは、私には、借金返済のために必要以上に一人で放っておかれたアスミが可哀想としか思えませんでした。

作者に対する印象は、
短編で「いくらフィクションでも(都合の良さに)限度ってものがあるだろ」と思うようなのや、自伝のエピソードで「これ、だいぶ美化されてる感じがする」と思うものが、私には結構多かったので、わかっててやっているのか無意識なのか疑問を感じたのを、
そういうタイプの人間なのだろうかと邪推したものです。

横溝ルパンさんと私とで、読み取り方にそんなに差がある訳じゃないと感じました。
私は、気に入った作品に対して、更にクオリティを求めてしまい、細部のツメの甘さが気になる性分なんだと思います。
おつきあいいただきありがとうございました。

P.S.
ブログやってる人って尊敬します。
私には、そんな高頻度に更新はできませんので。

* by 横溝ルパン
そういえば、秋が死んだ後の描写は意外と淡泊でしたね。それぞれのキャラのバックグラウンドを考えると、もう少しそれぞれに葛藤があった方が説得力があったかもしれませんね。

アスミがライオンさんを好きというのは、アスミが小学生くらいならすんなりと受け入れられたと思うのですが、宇宙学校を卒業して、もはや大人に近くなったアスミが言うのはちょっと受け入れにくかったです。(^^;
子供の時から家族以上に側にいてくれたライオンさんがいなくなるというのは、想像以上に寂しいんだろうなあと思いますが・・・。

そういえば、鴨川家の財政状況はかなり悲惨でしたね。トモロウにはトモロウなりの考えがあったのでしょうが、もう少しアスミというか家庭のことも考えて欲しいですよね。

作者に対する印象は、私は何かで作者が対談だったかインタビューされた記事を読んだことがあるので、誠実そうな人だな~という印象が強いです。そして、こういう人ならスピカのような物語を描くだろうな~と思ったことを思い出しました。

確かに名無しさんと私の読み取りには、そんなに差はないですよね。
作品によって考え方が変わりますが、私はこの作品に関しては、細かいところは気になるけど「ま、いっか」という感じですね。(^^;
でも、この機会に違う見方をすることができて、とても楽しかったです。こちらこそ、ありがとうございました。

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「秋の死。妹にジュースを買いに行かせた間に、1人でひっそりと亡くなってしまうなんて悲しすぎます。(号泣)」
感想はそれだけですか?
病院内で吐血して、妹が医者を呼びに行くのをやめさせてジュースを買いに行かせて、そのせいで死んでしまったら、不慮の死ではなく自殺じゃないんですか?
夢が叶わなくなったら自殺してもいいんですか?
2010-08-26-08:32 名無しさん [ 返信 * 編集 ]

私は、秋の死は自殺だとは思いません。夢半ばの、悲しい死だったと思います。

それから自殺についてですが、これを私は否定しません。ある人が自殺した時、その人がどれだけ悩み苦しんでいたかは、他人に推し量ることはできません。ある人が死を選んだ時、私はその意思を尊重したいと思います。
2010-08-26-11:27横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]

作者にもその意識は無いのだと思います。ただ、客観的には、あの状況では自殺したのと変わらないことになってしまうんです。
私としては、むしろ、あそこで安易に死なせずに、夢を叶えられなくなった秋がどう生きていくかを描いてほしかった思いました。

自殺の是非については、状況次第だとは思います。
2010-08-26-23:46 名無しさん [ 返信 * 編集 ]

私としては、秋が自殺したとは思いたくないので、むしろ症状があれだけ激変する患者を1人で放置して、結果的に死なせてしまった病院の管理体制の甘さが気になります。(^^;

マリカも秋と同じ病気で、99.9%宇宙へは行けないでしょうが夢は捨てていません。これは、もし秋があの後も生き延びていたとしても同じだったのではないでしょうか。
秋を死なせる展開は、私も安易だったと思います。ただ、そのおかげで一緒に夢を追いかけてきた仲間が突然いなくなる喪失感、そしてそれでも前に進むアスミたちの姿が描かれたのはよかったと思います。
2010-08-27-18:21横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]

そうですね。急速に進行しているという認識があるがあるなら、最低でも心拍数のモニターぐらいは着けとけよって言うのはありますね。

私は、秋を死なせなくても、十分に効果的な話にできるんじゃないかと思ったんです。
あと、大切な人を亡くした人がちょっと多いなーと。
2010-08-28-19:14 名無しさん [ 返信 * 編集 ]

そうですね。元々ほのぼのとしたお話でしたし、その中での秋の死というは、物語として少し重すぎるような気もします。ファンとしては、秋が死ななかったらどんな展開になったのか、見てみたかった気もしますね。

それから、大切な人が死んでいるキャラは確かに多いですね。アスミのお母さんも亡くなっていますし、秋のお母さんも、そしてライオンさんに至っては本人が死んじゃってますからねえ。(^^;
「ふたつのスピカ」以後の柳沼さんの作品は、まだ読んだことがないのですが、次回作ではこのあたりを改善してくれるといいですね。
2010-08-28-22:09横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]

浮遊霊なのにアスミの守護霊のようになっているライオンさんの設定は好きです。


私の「ふたつのスピカ」に対する大きな不満点は、
 1.秋の死に方
 2.トモロウが大人としての行動ができていないこと(妥協とかではなく、親としての責任や、個人的な感情と仕事上必要な態度の区別)
 3.ライオンさんがあのタイミングで消えること
の3つです。
(科学技術的な面でのツッコミどころは満載ですが、それはこの作品のメインではないので。。。)


トモロウの佐野に対する態度の不自然さは、「佐野とトモロウが大学で研究室だったこと」と「佐野が今日子を好きだったこと」が、後付けの追加設定のために最初の描写と整合しなくなったように感じます。

ライオンさんの幽霊としての寿命が尽きることは、アスミが宇宙に行ったので成仏したということなんでしょうけど、だとすると消えるタイミングが・・・


・・・実のところ私は、「ふたつのスピカ」そのものより、単行本に同時掲載されている恋愛漫画や作者の自叙伝的漫画を読んでいるうちに、作者が物事を自分の都合のいいようにねじ曲げて認識する人間のように思えてしまって、それで「ふたつのスピカ」も、あまり好きになれなくなってしまいました。
(まあ、有名な芸術家で人格に問題のある人なんてゴロゴロいるんですが)

現時点では、「ふたつのスピカ」を好きな作品というのに抵抗がありますが、今後、どうなるかわかりません。
横溝ルパンさんとのやりとりで、だいぶ、「ふたつのスピカ」に対する感じ方が変わりました。

感情的にならずに対応していただき、とても感謝しています。
2010-08-31-00:26 名無しさん [ 返信 * 編集 ]

この作品でのライオンさんの存在は大きいですよね。私もライオンさんは好きです。(^^)

16巻の作者のあとがきマンガを読むと、秋の死とライオンさんとの別れは最初から予定されていたことみたいですね。どちらも作品内での大きな出来事なので、このあたりをどう描くかは作者もかなり悩まれたのではないかと思います。

秋の死に方については、作者も重すぎたという反省があったのではないでしょうか!? その後、ライオンさん二世というか、ウサギさんという形で今度は秋が浮遊霊になったかのような描写がありましたし・・・。
ライオンさんとの別れは、別れそのものより、アスミがライオンさんを好きだったと告白したところに私は違和感を感じました。

それから、トモロウについては、佐野先生との関わりなど後付けっぽい設定が目立ちましたよね。でも、凄いなあと思ったのは、事故の遺族にののしられながらも、事故後の補償の交渉を続けたことです。きっと酷い言葉をぶつけられることも多かったと思いますが、よく耐え抜いたなあと・・・私ならすぐに精神的に折れそうです。(^^;

作者の自伝的要素の入ったマンガは、私はどこまでが本当なんだろうと、ギャグを楽しみながら読んでいました。「ふたつのスピカ」本編よりは印象が薄いので、これを読んで本編の評価が変わることはなかったです。
作者が物事を自分の都合のいいようにねじ曲げるというのは、私はよくわかりません。ただ、人は人である限り主観的であることからは抜け出せないので、個々の主観と主観をどう折り合いをつけるかが大切なような気がします。

名無しさんにとって、「ふたつのスピカ」は好きな作品ではないかもしれませんが、どこか引っかかる、そのために人の意見を聞いたり、意見をぶつける価値のある作品、いろいろと考えさせてくれる作品なのかもしれませんね。私はこれも、作品に対する1つの愛情表現だと思います。(本当にどうでもいい作品なら、そのために時間をかけたりしないでしょうから)

今回、名無しさんがコメントをくださったおかげで、私もただ好きからもう少し突っ込んで、「ふたつのスピカ」という作品について考えることができました。ありがとうございました。(^^)
2010-08-31-19:26横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]

秋の死とライオンさんとの別れが、基本プロットだったというのはなんとなくわかります。

ただ、秋の死については、私にはちょっと物足りないですね。
秋の周りの人間があまりコタえた感じがしてなくって・・・
母親を獅子号事故で亡くしているアスミと、常に死を意識してきたマリカと、圭とでもう少し差があってもいいんじゃないかと。

アスミがライオンさんを好きだったいうシーンは、小さい子が「大きくなったらおにいちゃんのお嫁さんになる」って言っているようなものだと思ったので、それほど違和感を感じませんでした。そのこと思い出しつつ、ライオンさんがいなくなった寂しさを感じているアスミの心境がうまく描かれていたと思いました。

トモロウの処遇は、あれは肩たたきというかイヤガラセですよね。よく耐えたと思います。
ただ、退職金も遺族補償金受け取らなかったことにしたのは、私には、借金返済のために必要以上に一人で放っておかれたアスミが可哀想としか思えませんでした。

作者に対する印象は、
短編で「いくらフィクションでも(都合の良さに)限度ってものがあるだろ」と思うようなのや、自伝のエピソードで「これ、だいぶ美化されてる感じがする」と思うものが、私には結構多かったので、わかっててやっているのか無意識なのか疑問を感じたのを、
そういうタイプの人間なのだろうかと邪推したものです。

横溝ルパンさんと私とで、読み取り方にそんなに差がある訳じゃないと感じました。
私は、気に入った作品に対して、更にクオリティを求めてしまい、細部のツメの甘さが気になる性分なんだと思います。
おつきあいいただきありがとうございました。

P.S.
ブログやってる人って尊敬します。
私には、そんな高頻度に更新はできませんので。
2010-09-05-23:13 名無しさん [ 返信 * 編集 ]

そういえば、秋が死んだ後の描写は意外と淡泊でしたね。それぞれのキャラのバックグラウンドを考えると、もう少しそれぞれに葛藤があった方が説得力があったかもしれませんね。

アスミがライオンさんを好きというのは、アスミが小学生くらいならすんなりと受け入れられたと思うのですが、宇宙学校を卒業して、もはや大人に近くなったアスミが言うのはちょっと受け入れにくかったです。(^^;
子供の時から家族以上に側にいてくれたライオンさんがいなくなるというのは、想像以上に寂しいんだろうなあと思いますが・・・。

そういえば、鴨川家の財政状況はかなり悲惨でしたね。トモロウにはトモロウなりの考えがあったのでしょうが、もう少しアスミというか家庭のことも考えて欲しいですよね。

作者に対する印象は、私は何かで作者が対談だったかインタビューされた記事を読んだことがあるので、誠実そうな人だな~という印象が強いです。そして、こういう人ならスピカのような物語を描くだろうな~と思ったことを思い出しました。

確かに名無しさんと私の読み取りには、そんなに差はないですよね。
作品によって考え方が変わりますが、私はこの作品に関しては、細かいところは気になるけど「ま、いっか」という感じですね。(^^;
でも、この機会に違う見方をすることができて、とても楽しかったです。こちらこそ、ありがとうございました。
2010-09-06-21:53横溝ルパン [ 返信 * 編集 ]