
銀婚式を迎えた日に、年配の夫婦がとある田舎へとやって来ました。妻が絵を描いている間、周囲を散策していた夫は、かって自分がその場所を訪れたことがあるのを思い出しました。
学生だったフランク・アシャーストは、友人と徒歩旅行に出かけました。しかし、その途中で足を痛めてしまい、とある一軒の家に世話になることになりました。
そこでアシャーストは、メガンという純朴な少女と知り合います。2人は次第に惹かれてゆき、ついに林檎の木の下で愛を誓い合うまでになりました。
しかし、駆け落ちするためにいったん1人で街に出たアシャーストは、そこで旧友と再会しました。そして彼の妹たちを紹介されることになりました。その3人の妹たちの中に、ステラという少女がいました。
メガンへの想いを残しつつも、アシャーストは徐々にステラに惹かれてゆきます。そして、冷静になった彼はメガンが街で暮らして行けるような女性ではないこと、そして自分は田舎暮らしができる人間ではないことに気づくのでした。
アシャーストを追って、メガンも街へやって来ましたが、ついにアシャーストはメガンに声をかけることなく、2人はそのまま離ればなれとなってしまいました。
やがて時は現代へと戻り、アシャーストは自殺したメガンの墓を目にして、悔恨の思いに涙することになるのでした。
ストーリーは単調ですが、描写が美しくて読んでいる間、夢を見ているような気分にさせられました。若き日の性急な恋が招いてしまった悲劇の痛みが、読み終えた後もいつまでも心に残るような作品だと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30