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2007-10-26 (Fri) 11:51

玻璃の天/北村 薫

玻璃の天「空飛ぶ馬」の円紫シリーズ、覆面作家シリーズなどで有名な北村薫さんの作品を久しぶりに読んでみました。

この作品の舞台は昭和初期。主人公は華族のお嬢様で女学生です。探偵役を務めるのは、お嬢様の運転手の女性・別宮さんことベッキーさん。
日本が開戦に向かおうとする時期を舞台としながらも、相変わらずの品があって凛とした美しい文章に、たちまち作品の引き込まれました。

本書の前に「街の灯」という主人公の英子とベッキーさんとが登場する最初の物語があるようですが、そうとは知らずに読み始めてもこの本からでも十分に楽しめる内容でした。
この本には3本の作品が収録されていましたが、どれもそれぞれに趣向が凝らされていて面白かったです。

1作目の「幻の橋」では、過去の経緯から断絶状態だった家系の娘と息子が、恋をしてしまったことから物語が始まります。恋する2人の様子は、まるでロミオとジュリエットです。
そこに、英子が関わってベッキーさんと共に、2つの家が断絶することになった真相を解き明かしてくれます。

2作目も、恋する男女のやり取りに英子が関わることになりました。この作品では、暗号が登場するのですが、日本の古典に疎い私には謎解きのとっかかりすら思い浮かびませんでした。それでも、ベッキーさんのヒントを元に、隠された文章を英子が解き明かすのは面白かったです。

3作目は、もしかしたら「街の灯」とも関連があるお話なのかもしれません。
ふとしたことから、若手の実業家と風変わりな建築家と知り合った英子は、その建築家が設計したという屋敷に招かれることになりました。
そこである事故が発生するのですが、英子はそれが事故ではないのではないかと思いつくのでした。

3作それぞれに面白かったですが、一番印象的だったのは1作目のお話です。いくつかの謎が作品内に出てきますが、小さな謎がほどけて大きな謎の答えが見えてくる構成には読み応えがありました。

最終更新日 : -0001-11-30

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